栗山監督後任候補に工藤氏、由伸氏、井端氏 侍ジャパン次期監督も在野、専任が基本線

 第5回WBCで3大会ぶり3度目の世界一に輝いた日本代表「侍ジャパン」の栗山英樹監督(61)は、優勝後に勇退を表明。日本野球機構(NPB)は前ソフトバンク監督の工藤公康氏(59)、前巨人監督の高橋由伸氏(47)、東京五輪でコーチを務めた井端弘和氏(47)らの候補を軸に7月新体制発足を目指し、後任探しに着手する。

 栗山監督は世界一達成後、「今日で監督が終わるので…。明日から全く何も肩書のない人になる」と退任する意向を口にした。全勝での優勝。続投を望む声が出るのは必至だが、退任の意思が固い場合、当然、NPBは迅速な後任探しに着手しなければならない。

 栗山監督は関係各所の優勝報告なども予定され、任期は5月まで。侍ジャパンを常設以降は監督不在の期間は長く設けない不文律があり、あるNPB関係者は「7月が新しい監督就任のめどになるでしょう」と話す。過去に現役監督から「兼任は難しい」と拒否された経緯もあり、12球団の指揮官ではなく、在野からの人選で専任が基本路線。そこで次期監督候補と浮上するのが工藤氏、高橋氏、井端氏の3人だ。

 工藤氏は、指揮官として常勝ソフトバンクを構築。その実績は申し分ない。また15~17年小久保(現ソフトバンク2軍監督)、19~21年稲葉(現日本ハムGM)の両監督のように若き40代の指導者に託すなら高橋、井端両氏の名前が挙がる。

 高橋氏は現役時代はアテネ五輪のメンバーとして活躍。栗山監督が就任する以前、WBCの指揮官を打診されていた経緯もある。侍ジャパンのU12監督も務める井端氏は、稲葉監督で臨んだ東京五輪ではコーチとして金メダル獲得に貢献した。

 いずれにせよ、11月に東京ドームで開催される「第2回アジアプロ野球チャンピオンシップ」(日本、韓国、台湾、オーストラリアが参加)が新体制での初陣。そこで指揮を執るのは誰になるのか。がぜん、注目される。

 ◆工藤 公康(くどう・きみやす)1963年5月5日生まれ、59歳。愛知県出身。現役時代は左投げ左打ちの投手。名古屋電気から81年度ドラフト6位で西武入団。95年にダイエー移籍。その後、巨人などでプレーし10年に現役引退。通算635試合で224勝142敗3セーブ、防御率3.45、最優秀防御率4回、最多奪三振2回、最高勝率4回。15年のソフトバンク監督就任から21年の退任までリーグ優勝3回、日本一5回。

 ◆高橋 由伸(たかはし・よしのぶ)1975年4月3日生まれ、47歳。千葉県出身。現役時代は右投げ左打ちの外野手。桐蔭学園から慶大を経て97年度ドラフト1位で巨人入団。選手兼任打撃コーチを務めた15年に現役引退。通算成績は1819試合で打率.291、321本塁打、986打点。ベストナイン2度、ゴールデングラブ賞7度。引退翌年の16年からの3シーズンで巨人監督を務めた。04年アテネ五輪日本代表。

 ◆井端 弘和(いばた・ひろかず)1975年5月12日生まれ、47歳。神奈川県出身。現役時代は右投げ右打ちの内野手。堀越から亜大を経て97年度ドラフト5位で中日入団。14年に巨人移籍。15年に現役を引退し巨人の1軍内野守備走塁コーチに就任。18年退任。現役通算1896試合で打率.281、56本塁打、510打点。ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞7度。13年WBC日本代表。22年1月に侍ジャパンU12代表監督に就任。

編集者のオススメ記事

WBC最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    スコア速報

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス