鳥谷、長野と“日替わり1番”で頂点へ

 WBC日本代表が13日(日本時間14日)、米アリゾナ州スコッツデールで決勝ラウンドへ向けて始動した。鳥谷敬内野手(31)=阪神=は、早大時代にプレーした米国のグラウンドで原点に立ち返り、基本動作を入念に確認。決勝ラウンドの大舞台でも、普段どおりのプレーでチームに貢献する決意を示した。また山本浩二監督(66)は、1番打者の起用に関し、相手先発によって鳥谷と長野を使い分ける方針を明かした。

 原点に返った。鳥谷はグラウンド入りすると、その感触を懐かしむように、遊撃後方の芝生の上に大の字となって寝転んだ。「大学の時にアメリカに来て、こういうふうに芝生でやってたのを思い出した。気持ちいいという感じでしたね」。早大時代は日米野球の常連。アリゾナの太陽を全身に浴び、野球少年のように瞳を輝かせた。

 時差ぼけの影響は感じさせない。気温30度を超えるなか、ハツラツと白球を追った。守備練習では二塁、三塁、遊撃のポジションを守り、日本と変わらず軽快にゴロをさばいた。芝生の上でボールを転がしてもらい、その光景をビデオ撮影。ゴロ捕球の基本動作も入念に繰り返した。

 「(ビデオでは)守備の形をちょっと見てました。自分の形がどんな形かというのを確認してという感じですね」。決勝ラウンドでは、慣れない環境でいかに普段どおりのプレーをするかが重要。決戦に備え、基本の確認に時間を割いた。

 いまや、侍ジャパンに欠かすことのできない存在だ。台湾戦では九回2死から二盗を決め、劇的勝利を呼び込む立役者となった。オランダ戦では先頭打者弾を放ち、チームの勢いを加速させた。

 この日、山本監督は決勝ラウンドの1番について「相手が右、左っていうとこもあるやろうし。それによって打順は変えます」と明言。14日(日本時間15日)のジャイアンツ戦は鳥谷が1番で出場する見込みだが、決勝ラウンドでは相手投手によって鳥谷か長野を1番に置く方針だ。

 起用法は流動的。それでも、鳥谷は「どのポジションも可能性がある。でも普段、チームにいる時からいろんなポジションを守るようにはしてるんで」。米国でもやることは変わらない。らしいプレーで、日本のために力を尽くす。

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