香川・小牧 背中で引っ張るガイナーズの新米主将
【香川・小牧泰士内野手】文=高田博史
香川が発表した今季の選手26人のうち、愛媛から移籍の東風平光一を除く14人が新入団選手である。独立リーグの宿命とはいえ、半分以上の選手が入れ替わって今シーズンを迎える。
「既存の選手が全員、3年未満ですからね」
そう話す新生・ガイナーズの主将、小牧泰士自身も、まだ2年目だ。主将を務めるのは中学以来となる。
新たに主将を務めることが決まったとき、前主将・宗雪将司から掛けてもらった言葉がある。
「『負けるなよ』と言ってもらいました。精神的な……。そういういろんなことなんじゃないですかね」
経験の少ない選手ばかりだからこそ、先輩たちが築いてきたガイナーズの野球をしっかり伝えていく必要がある。「自分もまだまだなんですけどね」と笑った。
「元々の性格が、グラウンドのなかで発言できるタイプじゃないので。あんまりしゃべれるほうじゃない。一番は野球への姿勢ですよね。取り組む姿勢を、背中で伝えていきたいと思っています」
先日行われたリーグ開幕会見で抱負を聞かれ「しっかり声を出して、元気を出して。選手としてたくましくなれるよう取り組んでいきたい」と語っていた。
「あれは自分の課題でもあるんです。どんどん前に出るところが」
前に出て捕球する遊撃手の守備と同じように、気持ちも前に出す。チーム全員にもそれを求める。
「自分の立場と役割を分かったうえで、それぞれのセールスポイントをどんどん前面に出せるチームになっていきたいですね」
開幕直前だった昨年3月、阪神との交流戦(鳴尾浜)で藤浪から死球を受け、右ひざ骨折の大けがに見舞われた。今年はフル出場して本領を発揮したい。
ファンを前にして行った新体制発表会(2月18日)の前夜「本番で飛んでしまわないように」と、あいさつ用の原稿を書いていた。
「実際、飛んだんです(笑)。『うわ!飛んだ!』と思いながらしゃべってました」
もっともっと、前に出る。主将として率いる今シーズンは、新しい自分を開拓するための1年でもある。