（引退セレモニーを終えた後の室内練習場で共同会見）

　－最後の戦いを終えて。

　「ホームランを打ちたかったんですけどね。でも、盗塁もできたし。ホームランの代わりに盗塁で勘弁してください」

　－試合前には新井と並んで打撃練習。

　「ラスト１本で、ケガして以来初めてバックスクリーンの横にホームラン打てたんで。これは試合で出ないなと思ったら、本当に出なかったんでね。試合で打ちたかったですね」

　－セ・リーグ最年長を更新する盗塁を決めた。

　「塁に出たら、どうしても走りたいと思っていた。新井には『絶対に打つなよ』と言ってました」

　－新井の安打で本塁を狙った。

　「あれは久慈コーチのミスですね。僕のスタートも悪かったんで。ストップしといてもらわないと」

　－最後は左飛を捕球して試合終了。

　「まさかのまさかで笑えましたけど。藤井（彰）もレフトフライを打たす配球で頑張ったと言ってたんで、そこまで気を使わせて悪かったですね」

　－ウイニングボールは。

　「グラブに入れたままなんで、誰かに盗まれてない限りはあると思います」

　－６度の胴上げ。

　「されたことなかったんで怖かったです。ちゃんと確認して６回だぞと。６回目に手を引くなよと注文つけました」

　（囲み取材へと移り）

　－最後のあいさつは１人で考えた？

　「もちろん、もちろん。長かった！？それとも短かった？普通？早く終われと思った？いや俺はわかんないからさ、必死でしゃべっていたから（笑）」

　－ＤｅＮＡへの厳しい言葉もあったが？

　「厳しかった！？俺は全然、厳しい言葉じゃなしに激励のつもりで。野球界全体のことを考えたときに、ＤｅＮＡが勝てば絶対に盛り上がると思うから。俺は全然、悪気はないよ（笑）。そういうふうに聞こえた？」

　－最後の３年間は続けて良かった？

　「微妙ですね。最後の３年間はあまりにも惨めだったんでね。それでもケガに立ち向かって行けたのは、ファンに希望を与えられたんじゃないかな。でも本当に自分はつらかったし、悔しいし、歯がゆい情けないというか…。それでもチャレンジできたことは良かったんじゃないかなと思います」

　－本当に辞める？

　「辞めるのやめようか。じゃあ会見開いてよ！おい（球団広報を呼び）会見開いてよ！…辞めますよ」

　（報道陣から花束を手渡され）

　「ウチで花屋ができるで！でも俺は花が似合わんからな」

左バッターボックスに花束を置く（撮影・高部洋祐）