履正社・岡田監督に届いた星稜・山下名誉監督からのメールとは…

 最初に僕の個人的なことを言わせてもらいますと、大阪・豊中で街ブラ番組をやらせてもらっていたこともあって、2年前に豊中市から「高校野球発祥の地・豊中市 応援団長」に任命していただきました。その豊中にあるのが、夏の甲子園で初優勝した履正社です。

 履正社の岡田先生(監督)にも、応援団長のことを知ってもらっていて「いつも豊中を応援していただいて」と、お会いすれば気さくに話してもらっています。そういった縁もあり、甲子園での日本一から数日後、神宮球場でU18高校日本代表が大学日本代表と壮行試合を行っていた26日に、岡田先生から「メシ行きましょう」と誘っていただきました。

 ちょうど履正社のOB会長もいらしていて、3人での食事となりました。いろいろと大会の話を聞かせてもらった中で、岡田先生が「すごくうれしいことがあったんです」と教えてくださったことが一つ。優勝後、元横浜高校監督の渡辺元智さんと、星稜の山下智茂名誉監督からメールでメッセージが届いたと。山下先生からのものは、こういった文言だったそうです。

 「日本一おめでとうございます。執念と気迫の差でしたね。大阪桐蔭の試合とセンバツの奥川、悔しさからの勝利に乾杯」

 岡田先生は「こんな言葉を山下先生からいただけるなんて。星稜として一番悔しさを持っておられるような方から、こういう言葉を贈ってもらってうれしいですし、これは僕の宝です」と本当に感謝されてました。それはそうですよね。山下先生は履正社に負けた星稜の名誉監督という立場の方ですから。

 星稜としては、目前に迫った初優勝を逃す敗戦となったわけで、山下先生にも相当な悔しさがあったと思うんです。ただその中でも、履正社に対する敬意や、岡田先生が初の日本一を果たすまでの苦労をねぎらう思いも込めてメッセージを送られた、山下先生の人柄が素晴らしいなと。

 文言の内容を見ても、執念と気迫というのは、山下先生が常にそういった思いを込めて指導をされてきていたわけで、その方からの言葉です。それに、昨年夏の北大阪大会の準決勝で、結果的に春夏連覇を達成した大阪桐蔭に対し、あと1アウトまで追い詰めながら敗れたことと、春のセンバツでの奥川君に抑えられた過去を踏まえてのメッセージですから。

 あとは決勝戦の話も聞きましたが、試合前の奥川君に対しては「低めに手を出すとスライダーとかに空振りするから、三振してもいいから高めを狙おう」という一点だけを伝えていたそうです。その中で、井上広大君は最初の打席で高めのスライダーに対して見逃し三振に終わりました。

 そこで岡田先生は井上君に「なんでチームとして高めと言ってるのに見逃したんや。次に来たらいけよ」と言ったそうです。そして次の2死一、二塁のチャンスの初球で、高めのスライダーを3ランにしてくれたと。

 「僕がそんなに指示をしたわけではないんです」。そう言って井上君の成長を褒められていた時も、岡田先生は本当にうれしそうな顔をされていました。

  ◇  ◇

 かみじょうたけし(本名・上条剛志)1977年12月31日生まれ。兵庫県淡路島出身。龍谷大卒。血液型A型。身長170cm、体重50kg。高校野球大好き芸人として知られる。趣味・特技は競輪予想、モノマネ。

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