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大阪桐蔭・藤原恭大が1番バッターじゃなきゃならない理由

日体大とのオープン戦で高校通算22号を放つなど活躍した大阪桐蔭・藤原
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 先日、大阪桐蔭が日体大と練習試合を行い、2試合ともに10-5で勝利した。使用するバットに金属と木製の違いはあったものの、相手はただの大学生ではなく、昨秋の明治神宮野球大会・大学の部優勝校である。しかも、大阪桐蔭は前日に明石トーカロ球場で行われた近畿大会を終え、その日のうちに8時間を超えるバスでの長旅があったにも関わらず、平気で2連勝するのだから、並のチームではない。

 さて、今回は、そんなとんでもないチームの中でも異彩を放ちつづける藤原恭大選手を掘り下げてみたい。

 名門・大阪桐蔭において1年生からメンバー入りし、2017年春の甲子園では、2年生にして選抜史上初の決勝戦で2本のホームランを放ってみせた。

秋には小園海斗選手(報徳学園)と共に1学年下ながら、高校日本代表に選ばれてU-18ワールドカップに出場。スーパースター・清宮幸太郎選手(日本ハム)が木製バットに苦戦する中、1番バッターとして打率3割を優に上回る打撃で日本の銅メダル獲得の原動力となった。

 しかし、大会後の10月に度重なる疲労も影響したのか、右膝を故障。万全ではないままに今年の選抜を迎えた。患部への負担も考慮され、1番ではなく4番に座る事になる。大げさではなく「仕方なく4番に座った」そんな風に見えてしまった。こんな選手は全国探しても彼だけだろう。もちろん4番として勝負強いバッティングで、チームに春連覇をもたらした事は言うまでもない。

 が、やはり1番バッターの藤原恭大が観たい。どうしても「1番藤原」が観たいのだ。それは何故なのか?

 現在セ・パ12球団でナンバーワンのリードオフマンは?と聞かれれば、ライオンズの秋山翔吾と答えるファンが多いだろう。守備はもちろん、一発もある打力に加え、やはり脚は魅力的である。

 ボテボテのサードゴロや、少し深めのショートゴロで一塁にたどり着けば、何としてでもホームに帰ってくるという球界ナンバーワンの得点力の高さ。単純に相手より1点でも多く得点した方が勝ちというルールの中では、最も評価されなければならない部分だろう。その部分において、藤原選手は現在の高校球児の中で、一番近い匂いがする選手だと思っている。

 つい最近お会いしたある球団スカウトさんは「秋山選手?素材なら断然、藤原君が上。うまく育てば超えますよ」と証言。つまり、日本一の1番バッターになれる才能を備えているのだ。

 そして、先日の近畿大会では1番バッターとして復活。久しぶりの1番に抑えが効かなかったのか、第1打席のなんでもないライト前ヒットで二塁を狙いタッチアウト。この辺りの“かかり具合”もたまらなくいい。

 終わってみれば5打数5安打と大暴れ。特に第5打席のツーベースでの一塁を回ってからの加速はさすがの一言。ただ、本人曰くまだ病み上がりで筋力が戻っておらず、まだまだスピードはあんなものではないのだと。思わず笑うしかない。

 3カ月ほど前だったか。偶然出会った小学校の先生の話を思い出した。その方は藤原選手の担任を務めた事があるという。

 「小学3年生の頃に鬼ごっこをしていて他の子にタッチするのはいつでもできたが、藤原君には大人が本気で走らないと追いつけなかったんです。で、本気で走ったら藤原君も本気で走って結局、追いつけずでした(笑)」

 底知れぬポテンシャルにロマンすら感じる。

 何故1番バッターじゃなきゃならないのか?それは誰もが走った道をたどるのではなく、新たな道を自ら切り開く事が出来る数少ない選手だからかもしれない。まっさらなダイヤモンドに初めに足跡を残すのが1番バッターであるように。

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