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セカンドゴロに見た智弁学園の強さの秘密 大阪桐蔭と共通する「走塁意識の高さ」

センバツの日大山形戦で左越えにタイムリーを放つ智弁学園・藤村(左)=2018年3月25日
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 佐藤薬品スタジアムで行われた春季奈良大会は智弁学園が高田商を16-1で破り、3年連続で春の奈良大会を制した。決勝までの全試合をコールド勝ち、決勝戦もこのスコアである。大会本塁打42本のうち15本を放ち、特に3番・塚本大夢選手が6本、5番・岡野龍太選手が5本と奈良大会のホームランの1/4以上を2人で打った事になる。

 選抜でノーヒットに終わった塚本選手だが、今大会は2回戦の西和清陵戦でサイクル安打を記録し、決勝戦も三塁打が出ればまたもやサイクル達成だった。全6試合で打率・727、6本塁打、16打点。3番バッターがこれだけ打てばチームは乗らない訳がない。小坂将商監督から昨秋、史上最弱と評されたチームが覚醒したのだ。試合後、同監督と少しお話ができた。

  ◇  ◇

 かみじょう「監督さんは確か1大会で4本でしたよね?抜かれましたね?」

 監督「僕は夏の大会なので!(塚本と岡野は)プレッシャーのないとこで打ってるだけですわぁ。ボール飛びすぎちゃいますか?(笑)」

  ◇  ◇

 負けず嫌いの小坂さんらしい返しだったが、選手の成長に喜びはあふれていた。

 では、智弁学園の強さとは打撃にあるのか?もちろんそれも大きな要素であるし、防御率1点台の投手陣の活躍も否めない。しかし、僕は5番・岡野選手の打席にこそ智弁学園の強さを見たような気がした。それは第1、第3打席での2本塁打ではなく、第2打席でのセカンドゴロである。

 何でもないセカンドゴロに岡野選手は一塁まで全力疾走していたのだ。7-0と大量リードで抜いてしまいがちな場面でのクリーンアップの全力疾走。アウトにはなったが、全力で相手を倒しに行く姿勢にスキがなかった。

 先日、このコラムで大阪桐蔭の強さの秘密の一つに走塁に対する意識の高さがあると書かせていただいたが、やはり強いチームには必ずあてはまるように思う。

 現在パ・リーグ首位を独走している西武ライオンズもあの強力打線ばかりがクローズアップされるが、強さの秘密は二遊間の守備と走力の高さにあるように思う。秋山、源田に金子侑、外崎、木村文紀とピッチャーがショートゴロに打ち取ったはずが一つ間違えれば内野安打にしてしまう脚。ランナーで出れば次の塁へのプレッシャーでバッテリーをかく乱してくる、あの脚こそが最も脅威なのだ。

 実際、決勝戦の圧倒的勝利にも小坂監督は走塁ミスにつながったランナーとランナーコーチには厳しく注意したとおっしゃっていた。そういった部分をしっかりしないと、もう一つ上のレベルでは勝てない事、走塁の重要性を十分に理解されているからこそだろう。ちなみに大活躍の塚本選手とセンターの左向選手はともに50メートルを5秒台で走るという。

 秋に史上最弱といわれたチームが、夏に大輪の花を咲かせる事は珍しい事ではない。まずは5月26日から始まる近畿大会での智弁学園の活躍に多いに注目したい。

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