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山下智茂氏×智弁和歌山・高嶋監督対談【3】夏こそは…打倒・大阪桐蔭

 守備練習で選手にアドバイスする智弁和歌山・高嶋監督(撮影・山口登)
 高嶋監督(左)が書いた色紙を手にする山下氏
 グラウンドを整備する高嶋監督
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 100回目の夏の甲子園を前にしたスペシャル対談の最終回。智弁和歌山の高嶋仁監督(71)が星稜名誉監督の山下智茂氏(73)に、今センバツ決勝で敗れた大阪桐蔭への強烈なライバル心を明かした。高校野球の歴史をつくった最多勝利監督が見せた勝利への変わらぬ執念に、山下氏も脱帽。同世代の指導者としてさらなる活躍を期待した。

  ◇  ◇

 山下智茂氏(以下、山下)「高嶋さんはいつもベンチ前の真ん中に立っているじゃないですか。あれはいつ頃から?」

 高嶋仁監督(以下、高嶋)「(奈良の智弁学園から)和歌山に来て5回甲子園に来て全部1回戦負けしたんですが、その時はベンチの端に座っていたんです。あまり監督が目立たん方がいいと思ったんですけど、負けてばかりだから目立ってもええわと立ったら勝った。そこから座れんようになったんです」

 山下「あれは(相手監督は)嫌やね。なんであんなところに立っているんやって。若い時なら、くそったれって(笑)」

 高嶋「目立つところに立とうと真ん中に立ってます。あそこは僕の聖地ですよ(笑)。(腕の位置が)春と夏は違います。春はこう(腕組み)するとぬくいんです。夏は汗をかくのでこう(腰に手を当てる)」

 山下「今春の高嶋さんはものすごく気合が入ってた。目が違ってました」

 高嶋「(準決勝の)東海大相模戦では、五回に選手を怒り飛ばしたらテレビに映ってた(苦笑)。相手の7番の子が元4番で、安打や四死球はOKだけど長打だけはあかんと言ってたのに本塁打を打たれた。ウイルス性胃腸炎で練習できずに試合だけ出ていた状態だったけど、怒るのは捕手(東妻)。チェンジになったらトイレへダーッと駆け込むほど辛抱してたけど」

 山下「あれほど『打倒・大阪桐蔭』を掲げたのは珍しい。決勝戦なんて、絶対に負かしてやるって目がギラギラしてた」

 高嶋「自分自身にプレッシャーを与えないと。昨春の近畿、夏の甲子園、秋の近畿、今年のセンバツ決勝とものの見事に全部負けた。これはたまらんですよ。昔はPL学園を何とか負かそうと思って頑張ってきました。甲子園では2度対戦して2度とも勝ちました。(目標を掲げて)そこへ行くまでに力が伸びるんですよね」

 -夏は大阪桐蔭を倒したい。

 高嶋「大阪桐蔭とやるまでにやられんようにしないと。明徳もちょろちょろしとるからね(笑)。馬淵監督は今年は狙ってたんですよ。センバツの抽選会の前夜に智弁学園、智弁和歌山、大阪桐蔭、英明と明徳の部長も入れた10人で食事をしたんです。馬淵さんはいつもはブワーッとしゃべるのに、あんまりしゃべらなかった。今年は打つ方もええし、投手もええなあと言っても、(上の空で)うん…って」

 山下「100回目の夏を前に伝統って何だろうかって考えると、伝統の中には監督の指導方針があるんですね。高嶋さんという人間そのものが伝統。若い指導者はその原点を見てほしい。人となりを知ってほしい。私自身も決勝戦の高嶋さんの目を見て、うらやましいな、輝いてるなと。よし、自分もやらないかんと思って金沢に帰りました」

 高嶋「やる以上は挑戦ですよね。できるできないはまた別です。だから、夏はやっぱり(和歌山大会から甲子園決勝までの)12連勝だという気持ちでやってます。それを考えるから練習メニューが豊富になるのかな」

 (教え子である中谷コーチ、古宮部長のノックを見ながら)

 山下「ノックは今も?」

 高嶋「しますよ。自分で選手の動きを見たいんです。でも、僕がやる時は10分だけと言っても、結局1時間半くらいになるんですが(笑)」(終わり)

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