【横山竜士氏の眼】広島・辰見の足と中村奨のバットが試合を決めた 九回に警戒されながら盗塁を決め、きっちり1本を打ったのも立派

9回、適時二塁打を放った中村奨(撮影・石井剣太郎)
2回、2ランを放つ中村奨(撮影・石井剣太郎)
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 「ヤクルト4-9広島」(15日、神宮球場)

 広島・辰見鴻之介内野手(25)が、代走盗塁のプロ野球新記録を樹立した。6-4の九回だ。四球を選んだ佐藤啓の代走として登場し、1死一塁で中村奨が打席に立った場面で二盗を決めた。代走での盗塁を26個に伸ばした。3日の中日戦で25個目を決め、1979年に藤瀬史朗(近鉄)が打ち立てた代走でのシーズン最多に並んでいた。チームは9月初連勝となる2連勝。序盤に攻撃陣が6点を奪うと、先発・鈴木健矢投手が5回4失点で2勝目。デイリースポーツ評論家の横山竜士氏は辰見の足とともに「きっちり1本を打った中村奨も立派だった」と称賛した。

  ◇  ◇

 九回に辰見の足と中村奨のバットで奪った1点が試合を決めた。広島は三回以降に追加点を奪えず、ヤクルトに追い上げられる展開。そんな中、辰見が日本新記録となる代走での盗塁を決め、中村奨が左越え二塁打でかえした。バッテリーに警戒されながら盗塁を決めた辰見の存在はチームにとって大きい。そして、好機できっちり1本を打った中村奨も立派だった。

 中村奨は二回の左翼席中段への1号2ランを含む3打点の活躍。今季はなかなか1軍に定着できなかったが、9月に昇格してからは、彼らしい打撃を取り戻している。

 昨年の活躍を受け、今季は開幕戦で2番に起用された。春先は右方向への意識が強すぎたのか、バットのヘッドが出てこず、本来の持ち味である引っ張る打撃が影を潜めていた。今は打つポイントを前に置き、しっかり振り抜けている。二回の一発も、カーブを仕留め吉村を降板に追い込む決定的な一打だった。

 現在の活躍を見ると、2番で状況に応じた打撃を求められた経験も、そこで調子を崩したことも含め、今後の成長の糧になるはずだ。

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