広島・杉田 思考改革で1軍初昇格だ メンタルコーチ導入で台頭!2軍で35試合1勝2S、7月支配下登録 得られた「完璧主義からの脱却」

 広島・杉田健投手(25)が、初の1軍昇格へ向けて汗を流している。育成選手として入団した3年目の右腕は、今年7月末に支配下登録を勝ち取った。ファームリーグでは、中継ぎとして35試合で1勝2セーブ、防御率3・04(8月30日現在)を残す。150キロ台の直球と決め球のフォークを武器に、猛アピールを続ける。

 杉田は充実した表情を浮かべていた。7月に支配下登録され、スタートラインに立った。「1軍で投げたい」ときっぱり。ファームリーグで結果を出し続け、初昇格切符をつかみ取る決意だ。

 今季の台頭の大きな原動力が、春から導入した「メンタルコーチ」の存在だ。春季キャンプで不調に悩み「今年、ダメだな」と落ち込んでいたとき、同期入団の佐藤啓に勧められた。「俺もつけたから、やってみたらと言われた」。自ら探して契約を結び、Zoomでの面談やLINEでの日々のやりとりを通じ、思考の改革に取り組んだ。

 得られたものは「完璧主義からの脱却」と「感情に左右されないマインド」の確立だ。以前は試合で抑えたとしても思い描いた投球ができなければ納得できず、自己否定に陥っていた。

 「どこか許してあげる場所が必要だと思うようになった。納得いかない部分があったとしても、何か良いものを探す。そうやっていく中で、気持ちの振れ幅がすごく少なくなりました」

 物事の捉え方の変化は投球にも直結した。「良いマインドの状態で試合に入れている」。打たれたとしても落ち込まない。課題として捉えて前を向けるようになり、成長サイクルが生まれた。

 技術面での成長は、フォークだ。昨季はあまり使わなかった球種。今季を前に、思い切り腕を振って投げ始め、落差が劇的に変化した。直球を軸にフォーク、カットボールの3球種で勝負するスタイルを確立し、支配下登録を勝ち取った。

 現在、1軍メンバーには大盛、持丸、辰見、佐藤啓、二俣、名原と多くの育成出身選手が名を連ねている。

 メンタルコーチの存在を教えてくれた佐藤啓は8月25日・DeNA戦で代打出場し、プロ1号を放った。杉田が「やったな」と祝福のメッセージを送ると、返ってきたのはスタンプ1個。「いつもそんな感じですよ」と苦笑いするが、切磋琢磨(せっさたくま)する仲間の存在は、大きな刺激になっている。

 ペナントレースは残り1カ月。刺激を受けるチームメートの背中を追いかけ、背番号50はマツダスタジアムのマウンドを目指す。

 ◆杉田健(すぎた・たける)2001年8月28日生まれ。静岡県三島市出身。投手。右投げ右打ち。188センチ、83キロ。小学1年で野球を始める。日大三島では2年春からベンチに入り、3年時はエース。日大国際関係学部を経て、2023年度育成ドラフト1位で広島に入団。今年7月に支配下登録を結んだ。長身を生かした角度のある投球が持ち味。背番号50。

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