広島・玉村 地元・福井に初凱旋登板で6回1失点 「いつもとは違うかな」特別な心境で奮闘、則本と堂々の投げ合い

巨人打線を相手に力投する玉村(撮影・立川洋一郎)
地元凱旋でのマウンドに立ち力投を見せる玉村
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 「巨人4-2広島」(13日、セーレン・ドリームスタジアム)

 広島の先発・玉村昇悟投手(25)がプロ入り初となる地元・福井での登板で6回5安打1失点の力投を見せた。丹生高時代に登板を重ねた思い出の地でもあるセーレン・ドリームスタジアムで大歓声を浴びながら腕を振った。同点の延長十二回には小園の遊撃内野安打で勝ち越したが、直後に遠藤が坂本に逆転サヨナラ3ランを浴びた。

 ビジターゲームにもかかわらず、スタンドには赤の背番号65のユニホームに袖を通した人が多くいた。福井県出身の玉村が故郷に錦を飾る投球。「たくさん周りの人も見に来るので、いつもとは違うかな」と特別な心境で立ったマウンドで勝敗はつかなかったものの、福井の人たちにプロの舞台で奮闘する姿を見せた。

 実力者である則本と堂々と渡り合った。序盤の3イニングを9人で終えると、不運にも動じない。四回は2死から味方野手が“お見合い”し、平凡な飛球が中前に落ちて二塁打に。思わぬ形でピンチを背負ったが、前日に本塁打を放っていた大城を三飛に仕留めて無失点で切り抜けた。

 五回先頭でキャベッジに左中間席への先制ソロを被弾。それでもその後の得点圏のピンチをしのいだ。スタンドには家族や友人、高校時代の恩師も駆けつけた中で懸命に腕を振ってゲームメークを果たした。

 プロへの道を切り開いたマウンドでの力投だった。この日の舞台となったセーレン・ドリームスタジアム(当時は福井県営球場)では、丹生高3年夏の全国高校野球選手権福井県大会で、奪三振の大会記録を更新。5試合中4試合が同球場だった。決勝で敦賀気比に0-3で敗れ、甲子園出場を逃したものの、秋のドラフト会議でカープに6位指名され、憧れの舞台へ歩みを進めた。

 自らの学生時代、プロ野球は福井県での試合開催やテレビ中継も少なく、遠い存在だった。だからこそ、この日の試合は福井の野球少年少女にとって特別な意味を持つと捉えていた。「一プロ野球選手として、真剣勝負ができたらいいなと思いますし、それを見て『自分たちを目指したい』って思ってもらえるようなプレーをしたいなと思っています」。そう意気込んでいた中で、子どもたちに夢を与える投球となったに違いない。

 今季はキャンプでのケガもあり、開幕2軍スタートも、4月30日・巨人戦(東京ド)で5回1失点。今回の登板前には「首脳陣にも気を使ってもらってここにあててもらったので」と話していたが、実力で勝ち取った凱旋登板だった。成長続ける25歳。これからも力強く腕を振り、故郷に活躍ぶりを届ける。

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