広島・持丸 救った!九回山崎撃ち値千金同点プロ1号「完璧だった」 新井監督「抑えからよく打った」 九回からマスクで無失点
「DeNA5-5広島」(5日、横浜スタジアム)
広島・持丸泰輝捕手(24)が土壇場でプロ1号を放ち、敗色濃厚だったチームを救った。1点を追う九回、守護神・山崎からバックスクリーン右に突き刺した。北海道・旭川大高(現旭川志峯高)から2019年度育成ドラフト1位で入団。4年ぶりに1軍出場した今季は、すでに12試合で先発マスクをかぶっている。この日はベンチスタートだったが、若鯉が攻守で存在感を示した。
手荒い祝福が、何よりうれしかった。ゆっくりと本塁を踏んだ後の三塁ベンチ前。持丸は、新井監督やチームメートから何度もヘルメットをたたかれた。試合を振り出しに戻す、値千金の同点弾。横浜の空に、プロ1号アーチを掛けた。
「手応えは完璧だった。でも(打球が)見えづらくて、どこに飛んだかわからなかった。同点に追いつけて、すごく良かった」
4-5の九回だ。マウンドには、山崎がいた。外角攻めで2-2と追い込まれた。5球目の150キロ直球が、わずかに甘くなる。逃さない。「自分の長所を、十分に発揮できた。守護神から打てたのは、本当に自信になる」。プロ7年目。起死回生の一発に、充実感がにじむ。新井監督も「相手の抑えからだからね。よく打ったと思う」と興奮を隠さなかった。
5-5の九回からはマスクをかぶり、ハーン、中崎、高、森浦をリード。4投手をもり立てて無失点に導き、今季2度目のドローに持ち込んだ。
スタメンマスクをかぶった前日4日、チームは11失点で黒星を喫した。「(4日は)投手の方に、申し訳ないという思いがあった。延長戦は、今日が初めて。ゼロでしっかり抑えられたのは良かった」。13試合ぶりにスタメンから外れた。ベンチから相手打者の一挙手一投足に目を凝らし続け、リードに生かした。
5月5日は「こどもの日」。幼少期から野球漬けの毎日を送っており、「試合、試合、試合。家族みんなで旅行に行ったりとか、そういう記憶はないですね」と笑った。プロ1号は、自身にとっても鯉党の子どもたちにとっても、忘れられない一発になったはずだ。
4年ぶりに1軍に昇格し、攻守で奮闘を続ける。課題のワンバウンド捕球など、2軍で地道に流してきた汗は今、確実に実を結んでいる。育成ドラフト出身選手による本塁打は球団4人目だ。
「守備でいろいろ、迷惑をかけたりとか、信頼を損ねてしまった部分はあった。『持丸が守っても大丈夫だ』と思ってもらえるような守備をしていきたい」
持丸は顔を上げ、力を込めた。誰からも頼られる扇の要になるために、歩みを止めない。
◆広島育成ドラフト出身者の本塁打 持丸が4人目。過去3人は三家和真(11年④)、大盛穂(18年①)、二俣翔一(20年①)
※()内の年はドラフト年度、丸数字は育成ドラフト順位。
