広島・辻 「ちび」と一緒に!新グラブに込めた亡き“相棒”への思い プロ4年目中継ぎ再転向「ちびも応援してくれている」
広島・辻大雅投手(21)が新たなデザインのグラブでプロ4年目のシーズンを戦う。試合用、練習用のグラブに刻まれた「ちび」の刺しゅう。中継ぎに再転向することが決定した左腕が、2文字に込めた思いを明かした。
今季から辻のグラブには特別な思いが込められている。練習用グラブは親指付近の外側に、試合用グラブは平裏(手のひら側)に昨季から大切にする言葉「気合と根性」に加え、新たに「ちび」の2文字が加わった。「実家で一緒に住んでいた猫の名前なんです。色は黒で喉元あたりが白い。手も白くて手袋を履いてるみたいでめっちゃかわいいんです」と、いとおしそうに特徴を教えてくれた。
出合いは辻が小学生の時だった。母が夕食の野菜炒めを作る音に混じって、聞こえたのは小さな鳴き声。外をのぞくと、そこには手のひらサイズの小さな子猫がいた。「確か数日後が大雨の予報で。それで心配になって餌でつって家の中に誘導しました」。猫好きな母の後押しもあり、そのまま家族の一員となった。
昨年7月に辻が支配下登録を勝ち取り、1軍戦がテレビ中継されるようになると、ちびは不思議な行動を見せた。辻がマウンドに上がるタイミングに合わせ、まるで分かっているかのようにテレビのある部屋へ移動。じっと投球を見守っていたという。誰よりも辻の晴れ舞台を見守り続けてくれた、かけがえのない相棒だった。
別れは昨秋のフェニックス・リーグ期間中に訪れる。体調を崩していたちびは静かに息を引き取った。「最後は家族全員に見守られながら亡くなったんでちびも幸せだったんじゃないかなと」。宮崎にいた辻は、最期を見届けられなかったが後悔はない。
その昨秋から先発に挑戦していたが、再び中継ぎに戻ることが決定した。先発挑戦にあたり、左打者へのチェンジアップを猛練習。「先発をやって生かされることもたくさんあると思う。不安は全くないです」とチームのために全力で腕を振る準備を進めている。
今春は対外試合4試合で全て中継ぎ登板。計4回2/3を1失点と好調をキープ。黒原、滝田と左腕が相次いで手術を受け、貴重な左腕としてフル回転が期待される。「中継ぎは1イニングなんで、ドーンと勢いよくいけばいい。全て勝負球だと思って全力でいきたいです。ちびも応援してくれていると思うので」と辻。応援する場所を画面越しからグラブという“特等席”に移したちび。相棒とともにマウンドで躍動する。
◆辻 大雅(つじ・たいが)2004年8月29日生まれ、21歳。神奈川県出身。182センチ、88キロ。左投げ左打ち、投手。二松学舎大付高から22年度育成ドラフト3位で広島入団。25年7月28日に支配下登録。同年8月2日・中日戦(マツダ)でプロ初登板。同年は16試合に登板し、0勝0敗0セーブ、防御率1.13。背番号は98。年俸800万円(金額は推定)。





