広島 現役ドラフトで楽天から辰見獲得 羽月に次ぐ足のスペシャリストを求め白羽の矢
出場機会に恵まれない選手救済の「現役ドラフト」が9日、オンラインによる非公開で行われ、広島は楽天から辰見鴻之介内野手(25)を獲得し、大道温貴投手(26)がヤクルトへ移籍することが決まった。辰見は今季のイースタン・リーグ盗塁王で快足が最大の武器。球団は足のスペシャリストとして、大きな期待をかける。
みちのくの韋駄天(いだてん)がカープに加わる。取材に応じた山根雅仁編成部長は「体の線は細いが、足の速さはずばぬけている」と辰見を評価。今回の現役ドラフトを「満足している」と総括した。
辰見は2022年度の育成ドラフト1位で楽天に入団。1年目の23年途中に支配下登録となり、24年に1軍デビューを果たした。同年オフに戦力外通告を受けて育成で再契約を結び、今年7月に再び支配下に昇格。今季1軍出場はなく、通算でも2試合の出場にとどまっている。
一方でイースタンでは今季88試合に出場し、打率・280、31盗塁。2位に11個の大差をつけ、ぶっちぎりでの盗塁王に輝いた。
チームは伝統的に機動力野球を展開しているが、今季のチーム盗塁数は57でリーグ5位。山根編成部長は「1軍で羽月が先発出場した時に、『ここっ!』という時に走る選手がいないと思った。走れる選手が欲しいと思って指名させていただいた」と説明した。
代走の切り札としての期待に加え、内外野をこなせるユーティリティー性も評価する。辰見は今回の移籍に際して、「あるかなと思っていたので、驚きはありませんでした」とコメントした。活躍の場を広島に移し、ダイヤモンドを駆け回る。
◇辰見 鴻之介(たつみ・こうのすけ)2000年11月24日生まれ、福岡県出身。176センチ、67キロ。右投げ右打ちの内野手。香住丘-西南学院大を経て22年育成ドラフト1位で楽天入り。23年7月に支配下昇格を果たした。1軍出場は24年のみで、2試合に出場し3打数0安打。同年オフに育成契約となったが、今季7月に支配下へ戻った。今年度ファームの選手を対象とした「デイリースポーツ選定 技能賞」を受賞。





