広島・新井監督 勝てるチームへ気合入れ直し「量はもちろん質も」 秋季練習スタート、得点力不足脱出へ実戦想定し徹底練習

 林の打撃練習を見つめる新井監督(撮影・市尻達拡)
 投手、野手が交ざり、ノックを受ける広島ナイン
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 「広島秋季練習」(10日、マツダスタジアム)

 実りの秋へ!広島は10日、マツダスタジアムで秋季練習をスタートさせ、18人の選手が約5時間にわたって汗を流した。新井貴浩監督(48)はコーチ陣と選手たちに「量と質」を求めていく方針を示した。練習の質向上への取り組みの一環として、より試合を想定した打撃を徹底していく。今季5位からの巻き返しに向けて、着実にレベルアップしていく。

 強い日差しが降り注ぐ秋晴れの下、グラウンドに選手たちが戻ってきた。シーズン終了からつかの間のオフを挟んで、来季に向けた競争が早くも幕を開ける。新井監督は「もう来シーズンは始まっている。(練習の)量はもちろんだけど、質も上げていこうという話をした」と気合を入れ直した。

 「強い選手を生み出す」という方針の下、昨年の秋と今年の春のキャンプや練習では「量」を求める取り組みに明け暮れた。特に野手陣は振り込み量を増やし、全体練習の最後には連日、ロングティーを行うなど徹底して体をいじめ抜き、打力強化に励んできた。

 その根幹は今オフも変わらない。発展途上の若手が中心となる鍛錬の秋。投げ込み、振り込みの量は確保する。そこに加えて今年は「質」にも目を向ける。指揮官は「より実戦を想定してやっていく」と先を見据えた。

 その取り組みの一例として挙げたのが、ケースを想定しての打撃だ。「気持ち良く打つんじゃなくて、右打者だったら右打ち、左打者だったら一、二塁間へ強く意識して、無死一塁とかで進塁打を打つ練習」。今後はフリー打撃でも打撃投手に変化球をまぜてもらい、あえて打ちにくい状況を生み出す。新井監督は「試合になったら打てるところに『どうぞ』という球はなくて、気持ち良く打てないから」と持論を展開した。

 今季のチーム打率は・246のリーグ3位。同ワーストだった昨年の・238から改善しており、振り込みの成果は出たとも言える。ただ、16試合連続3得点以下の期間があったように逸機が多く、得点力不足を脱したとは言えなかった。

 勝負どころでの安打が出ずに苦しんだが、進塁打が少なかったことも響いた。その背景からケースを想定した打撃が今秋は重視される。進塁打が打てないのは意識の問題ではなく「技術不足」とし、「だからこれを強く意識して練習しましょうという感じ。いろんなことをイメージしながら、苦しく打撃をすることで、新たな気づきも出るかもしれない」と、新井監督は力を込めた。

 さっそく、この日のフリー打撃では各打者が右方向へ多くの打球を飛ばした。1点をもぎ取る野球への原点回帰へ、鯉戦士たちは地道に汗を流す。

 【新井監督の秋季練習初日】

 ◆2022年11月14日 新監督として、ジャージ姿でキャンプに合流した。全体練習前の円陣で「絶対に好き嫌いで起用しない」と明言。午前中はブルペン、午後は紅白戦をチェックと精力的に動き回った。

 ◆2023年10月30日 若手選手に向け、プロの厳しさを語った。「現状維持は後退と一緒。常に何かいいものはないか、新しいことに挑戦するも良し、きっかけをつかんだ選手は、その精度を上げていくのも良し」

 ◆2024年10月16日 従来は休日前日に行っていたロングティーを毎日行うよう変更。さっそく2人1組で100球を打たせた。「シーズン中は相手と戦うけど、秋は自分との勝負」と意義を語った。

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