広島・辻が痛快!村上斬り“最後の打席”を三球三振でリベンジに成功「球のキレがいい」と安仁屋宗氏

 先発し力投する佐藤柳(撮影・市尻達拡)
 8回、空振り三振に倒れる村上(撮影・市尻達拡)
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 「広島1-3ヤクルト」(4日、マツダスタジアム)

 広島、ヤクルトともに最終戦を行い、今シーズンの全日程を終えた。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は広島の若手3投手を評価。先発した佐藤柳之介、リリーフした菊地ハルンと辻大雅の投球内容について「戦力として十分期待できる。来年が楽しみだ」と語り、カープ“再建”の重要ピースに位置づけた。

  ◇  ◇

 今シーズン最後の試合は来年への希望が見える試合にもなったね。

 先発の佐藤柳は四回にちょっと崩れたため5回3失点で降板したが、内容的には決して悪くなかった。腕がしっかり振れていたし、全般的にはリズムよく投げていた。

 四回は先頭の長岡に安打を許し、無死一塁となったところでクイックモーションを使い始めた。これがきっかけで制球を乱してしまったのだが、あの場面ではあまりクイックを意識する必要はなかったのではないか。

 村上からは二回に変化球、四回に直球で、それぞれ三振を奪った。見どころがあったし、今後が楽しみでならないね。

 (富士大出身の新人・佐藤柳はこの日が6試合目の登板。5回を4安打3失点で2敗目を記録した。6月29日の中日戦での先発がプロ初登板で初勝利。その後、2軍調整を経て10月4日に再登録された)

 残念だったのは五回を投げ終えたところで降板したこと。ほかの投手を投げされる予定があったからかな。まだ76球だっただけにね。そこからのスタミナを確かめたかったんだが。

 リリーフした菊地は高校卒の新人ながら、2メートルの長身から投げ下ろす体重の乗ったボールが魅力的だ。コントロールもいいし、バットの芯で捉えられてもあまり打球が伸びず、野手の正面に飛んでいた。こういう重い球質も武器になりますよ。

 (1年目の菊地は9月23日の初登板から数えて4試合目。すべてリリーフで4回を計2安打1四球1失点、防御率2・25。同28日のDeNA戦以外は走者を出しておらず、この試合は七回の1イニングを直球とフォークの2種類で三者凡退)

 辻も非常によかった。八回に村上を3球で空振りの三振に仕留めたのは149キロの高め直球。今年が3年目だからね。球速はもっと伸びるはずだ。

 彼は球のキレが非常にいい。制球を乱すこともなく安定した投球を続けている。フォームは昔のタイプというか。重心が低く、ひざが地面に着くぐらい。下半身の粘り強さが特長で、よほど足腰がしっかりしているんだと思う。

 今後の起用法は分からないが、仮に先発へ回るなら、この秋から投げ込んでスタミナを養うことだ。それぐらいの可能性を感じるね。

 (育成出身で3年目の辻はすべて中継ぎで16試合目の登板。計16回で奪三振は21。防御率は1・13。与四球3は見事)

 それにしてもだらしないのはハーンだ。前日も連打を浴びて途中降板。この試合は連打と四球で満塁にして降板。

 リリーフした鈴木が無失点で切り抜けたが、これでは来年の契約がどうなるか。若手のための貴重な残り試合を使っているというのに。

 今シーズンの最終戦。松山、田中、上本…ベテラン選手のラストゲームでもあっただけに寂しさはあるが、カープの明日を託せる選手は間違いなくいますよ。

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