若ゴイ中心の広島がまた大敗 「ベテランと若手の間にはまだ大きな差がある」と安仁屋宗八氏
「広島2-10DeNA」(28日、マツダスタジアム)
広島は2-2の八回にリリーフ登板した常広の大乱調が原因で大敗を喫した。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏はこの中継ぎを想定した起用法に首を傾げると同時に、試合を通した「変化球に頼る捕手のリード」にも疑問を投げかけた。
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Bクラスが確定したあとは残り試合を若い選手のために使っている広島だが、このゲーム内容ではまだまだベテランの力が必要だと感じたね。大切な試合を使ってきたこれまでの成果というものがまったく見えてこなかった。
特にバッテリー。先発した高に対しても、リリーフした菊地や常広に対しても、清水のリードは変化球が中心だった。投手の力を信じてもっとストレートを数多く要求しないとダメだ。
高の出した4四球の原因もそこにあるし、150キロ近い球速をもつ菊地も、変化球に頼らなければ七回は無失点で切り抜けていたはずだ。
同点の八回に登板して1イニングを投げきれずに8安打され、8失点した常広に対しても同じことが言える。変化球を打たれるとストレートに切り替え、また打たれる悪循環だった。
ただ常広について言えば、同点というああいう場面で投げる投手ではないと思う。餅は餅屋。選手にはそれぞれ役割というものがあるでしょう。彼は先発を期待され、ほとんど先発で投げてきた投手だろうから。
打たれても打たれても代えなかったは“このイニングだけでも何とか始末しろ”というお灸のようなものだったのかもしれない。だとしても、こんなゲームはお客さんに失礼ですよ。
これも勉強。首脳陣はそう考えているのだろうが、若手がポジションを簡単に奪えるほど甘い世界ではない。必死に頑張ってはいるのだろうが、5安打、2得点に終わった打撃に関しても現状が精いっぱいのように思えてならない。
厳しい言い方になるが、ベテランと若手の間にはまだ大きな差がある。この秋はそれをしっかり自覚して練習していくしかないだろう。





