広島・常広 V目前虎に真っ向勝負も光投実らず 意地の5回0/3を3安打6K 新井監督は熱投に合格点

 1回、森下(手前)を中飛に仕留める常広(撮影・西田忠信)
 2回、大山(手前)を見逃し三振に仕留めた常広(撮影・西田忠信)
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 「阪神4-1広島」(6日、甲子園球場)

 聖地で意地をみせた!広島・常広羽也斗投手(23)が1軍で初めて甲子園球場で登板。2敗目を喫するも、5回0/3を3安打3失点(自責1)の力投を見せた。佐藤輝、大山から三振を奪うなど、自己最多の6奪三振をマーク。チームが3連敗を喫した中、中5日の影響を感じさせない投球で成長した姿を示した。

 初見参の聖地で成長の証しを刻んだ。完全アウェーの中、常広が力投。「お客さんが多くて、結構応援も大きかった。自分は逆に気持ちが入りやすかったです」。2敗目を喫するも、優勝目前の猛虎打線に堂々と立ち向かった。

 初回から飛ばした。初回は9球で三者凡退。二回は佐藤輝、大山を連続三振に斬るなど完璧な投球を披露。「球威を出していこうと思っていたので、入りは良かったと思います」と三回まで打者9人で完璧に片付けた。

 首位の意地を見せられたのは1点リードの四回だ。1死から中野の打球をモンテロが後逸。森下を歩かせ、1死一、二塁の場面で4番・佐藤輝を迎えた。カウント3-2からの6球目。わずかに浮いたフォークを右前に運ばれ、同点を許した。走者を出してからの制球力が課題の右腕。「荒れた時にどう修正するか。そこをしっかり練習していきたいです」と次回での修正を誓った。

 六回は先頭の近本に四球を与えたところから無死一、三塁のピンチを招き、森下に勝ち越しの左前適時打を浴びたところで降板。イニング途中でマウンドを降りた右腕だったが、左翼席の一角を赤く染めた鯉党からは拍手が注がれた。

 前回8月31日・ヤクルト戦(神宮)では、4回10安打5失点でプロ初黒星を喫した。そこからローテ再編の影響で中5日での登板。「通用するボールもあった。五回まではしっかり投げられた」と手応えを得た。特にフォークのキレが抜群で、自己最多の6奪三振をマーク。「前回のヤクルト戦では、あまり落ちがよくなかったんですけど、そこをしっかり1週間で修正できた」と納得顔だった。

 新井監督も敵地での熱投に合格点を与えた。「粘り強く投げていた。相手はいい打線。ゲームをつくったと思う。経験しながら成長していってもらいたい」と、今後の糧にすることに期待を寄せた。

 一方、打席では2度バントを決められず、ともに三振。「しっかり決められるように練習するだけです」と反省も忘れなかった。CS進出を目指す緊迫した戦いでしか味わうことのできない雰囲気の中で、常広が貴重な経験を積み上げていく。

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