「広島２－５中日」（２３日、マツダスタジアム）

　尻上がりの投球内容には目もくれない。広島・森下暢仁投手は流れを明け渡した初回を悔やみ、「立ち上がりが全てだと思います」と敗戦を受け止めた。７回７安打３失点（自責点１）で今季１４敗目を喫した。

　初回は連打で無死一、二塁のピンチを招いた。１死一、三塁となり、細川の２球目に一走・上林がスタート。ここで捕手・坂倉の二塁送球が大きくそれ、先制された。なおも１死三塁で、細川には詰まりながら二塁への適時内野安打。いきなり２点を失った。

　三回２死二塁からは山本に右前へ運ばれ、追加点を献上。思い通りの投球を披露できなかった。「それ（味方のミス）も含めてカバーできれば良かった」と振り返りつつ、「なかなかうまくいかなかったな、という感じですね」と唇をかむしかなかった。

　球団投手でのシーズン１４敗は２０１２年のバリントン以来１３年ぶり。日本投手に限れば２００９年の前田健太以来で、不名誉な記録に並んでしまった。さらに中日戦は昨季から８戦８敗。苦手意識を払拭できず、高橋宏との投げ合いはこれで４戦４敗とネガティブな数字が続く。

　ただ、味方が１点差に迫った直後の四回以降は粘りの投球。「シンプルに立ち上がりから、あまりゲームをつくれなかったのが悪かったんだと思います」と森下。上位進出へ、エースの奮起は欠かせない。黒星の重みに耐え、次戦で巻き返す。