広島・高太一 野村祐輔コーチの指摘が好影響 150キロを複数回も始めた「修正」 2軍で奮闘中の23年度ドラ2

 広島・高太一投手(23)が1軍のマウンドを目指し、奮闘している。2年目の今季はウエスタン・リーグで先発だけでなく、中継ぎとしても登板。5月下旬からは実戦から約2週間離れ、野村祐輔3軍投手コーチ兼アナリスト(36)とフォームの見直しを行うなど試行錯誤を続けている。

 意識ひとつで結果は変わる。高が自分に足りないものと向き合い、前に進もうとしている。プロ2年目。勝負の夏が始まっている。「少しずつ感覚は良くなってきている。今は自分のやるべきことをコツコツやっていくだけです」と語る表情には決意がにじんでいた。

 今季はここまで2軍で13試合に登板し、2勝4敗、防御率4・44(21日現在)。主に先発としてローテを回りながら、中継ぎとしても経験を積んでいる。

 左腕にとって転機となったのが、5月下旬から行われた“野村塾”だ。約2週間、実戦のマウンドから離れ、野村コーチとフォームを見直した。きっかけは5月29日のウエスタン・ソフトバンク戦(筑後)。150キロを複数回計測し、1回無失点に抑えたものの、2安打を浴びた。「野村さんに『フォームが一生懸命すぎる』と指摘されて。そこから修正を始めました」と経緯を明かす。

 野村コーチのもとで取り組んだテーマは「フォームでギャップを生み出すこと」。打者目線から自身のフォームがどう見えているのか分析。「できるだけバッターに速い球がくるぞと思わせないように。イメージをずらして、差し込みたい」と狙いを明かす。

 ギャップを生むカギは、軸足である左足の“タメ”にある。「祐輔さんもそうですけど、良い投手は体がなかなか開かない。急に腕が出てくる感じ。同じ左だったら床田さんのフォームです」と理想像を重ねる。

 フォーム修正後は少しずつではあるが、変化を感じている。「力を入れなくても平均で145キロ前後が出るようになった。空振りを取れるようになりましたし、スタミナ面でも疲れにくい」と手応えを口にする。

 1軍ではルーキーのドラフト2位・佐藤柳(富士大)が一足早くプロ初勝利をマーク。「ここ(2軍)にずっといるので、何とかしないといけないという思いはずっとあります」と危機感ものぞかせる。「焦っても一気に成長するわけではない。1軍に上がるだけじゃなくて、1軍で活躍することを目指してやっています」と意気込んだ高。地道な努力を重ねながら、確実に前へと歩みを進めていく。

 ◇高 太一(たか・たいち)2001年7月26日生まれ、23歳。愛媛県出身。180センチ、89キロ。左投げ左打ち。投手。広陵、大商大を経て、23年度ドラフト2位で広島入団。昨季の最終戦、10月5日・ヤクルト戦(マツダ)で1軍デビュー。六回から3番手として登板し、2回1安打無失点の好投だった。

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