広島・秋山 球団史上9人目300二塁打 37歳ベテラン輝ラリ チームは11度目零敗…連勝3でストップ

 NPB通算300二塁打を達成し、ファビアンから祝福される秋山(撮影・市尻達拡)
 9回、左翼線への二塁打を放つ秋山(撮影・市尻達拡)
 300二塁打達成を示すスコアボード(撮影・市尻達拡)
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 「広島0-5ヤクルト」(3日、マツダスタジアム)

 広島は今季11度目の零敗で、引き分けを挟んでの連勝が3で止まった。本拠地で喫した完敗の中で、秋山翔吾外野手(37)が九回2死から左翼線への二塁打を放ち、史上79人目の通算300二塁打を達成した。広島が最終所属の選手では史上9人目の快挙。首位・阪神と今季最大の5差に開いた一戦で、ベテランが確かな存在感を放った。

 秋山らしい芸術的な流し打ちだった。左翼線で弾んだ打球を確認し、悠々と二塁へ到達。「簡単に終わりたくない」と意地で放った一打は、通算300本目の二塁打。静まり返っていた本拠地から祝福の拍手が送られた。

 5点を追う九回2死で迎えたこの日の2打席目だ。松本健に対し、カウント0-2から148キロの直球をライナーで左翼線へ。6月11日のロッテ戦以来、自身15打席ぶりの安打で節目の記録を達成した。

 「もっといい場面で打ちたかったなというのもありますけど」と苦笑いしながらも、「久しぶりに守らせてもらって、打席の中だとなかなか聞き取れない歓声が聞こえた。(自身が)こういう状態でも応援してくれる人がいるんだなというのがよく聞こえた。改めてありがたい」と充実感を漂わせた。

 秋山にとって二塁打とは何か-。「得点の確率が上がるものですけど、戦略的に狙うとかではないかな」と話す。「一生懸命走るとか、いろんなものを怠りなくやってきたものの一つ」。隙あらば次の塁を狙っていく積極的な姿勢を貫き通してきた結果、ここまでの数字が積み上がった。

 「カープに来てから余計に際どいプレーを狙うようになったのかな」。そのプレースタイルは2022年の移籍以降、より磨かれたと分析する。西武時代の本拠地は一般的に球足が速いとされる人工芝だった。外野に打球が飛ぶと、そのまま野手の間を抜けていくことが多く、「スライディングして二塁打っていうのはあまり記憶にない」と、余裕を持って二塁に到達することがほとんどだった。

 一方、マツダスタジアムの外野は天然芝。天候や芝の長さなどが影響し、打球の勢いに変化をもたらす。そのため外野への打球は、打者走者の一瞬の判断が一つ先の塁に進めるかのカギを握っている。「西武の時に怠っていたわけじゃないんですけど」と前置きしつつ、「天然芝の球場を本拠地にすることで、少し経験値が増えたのかなと」。メジャーも経験した37歳のベテランは、いまだに進化の道中にいる。

 首位・阪神とは今季最大の5ゲーム差まで広がった。「自分のできる全力を尽くすというのは、明日以降もやっていきたい」と秋山。記録達成は通過点。定位置を奪い返す戦いは続いていく。

 ◆通算300二塁打 広島・秋山が3日のヤクルト⑩戦(マツダ)の九回に松本健から左翼線に放って達成。プロ野球79人目。初二塁打は西武時代の11年5月22日の阪神戦でメッセンジャーから。

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