広島で史上9人目300二塁打達成の秋山 野球観変えたのはソフト・柳田 「ホームランや走ることは勝てない」

 9回、左翼線への二塁打を放つ秋山(撮影・市尻達拡)
 NPB通算300二塁打を達成し、ファビアンから祝福される秋山(撮影・市尻達拡)
 NPB通算300二塁打達成を示すスコアボード(撮影・市尻達拡)
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 「広島0-5ヤクルト」(3日、マツダスタジアム)

 広島は今季11度目の零敗で、引き分けを挟んでの連勝が3で止まった。本拠地で喫した完敗の中で、秋山翔吾外野手(37)が九回2死から左翼線への二塁打を放ち、史上79人目の通算300二塁打を達成した。広島が最終所属の選手では史上9人目の快挙。首位・阪神と今季最大の5差に開いた一戦で、ベテランが確かな存在感を放った。

  ◇  ◇

 1988年生まれで大卒の左打ち外野手。共通点の多い存在が秋山の野球観を変えた。柳田悠岐。豪快なスイングと圧倒的な存在感で球界を代表する打者へと成長していく姿は、秋山にとって強烈な刺激となっていた。

 転機は若い頃に訪れた。走攻守において人間離れした柳田のプレーを目にし、同じ土俵では勝負できないと悟った。「ホームランを打つことや走ることは勝てない。これでは生き残れないと。じゃあ何なら勝負できるかを考えた」。導き出した答えは、「渋く落としてヒットを積み重ねる」スタイルに切り替えること。「彼に勝ちたいと思ったのはそこからですかね」と自身の選んだスタイルで勝負を挑んだ。

 15年に柳田はトリプルスリーを達成。秋山も216安打を放ち、シーズン最多安打記録を樹立した。「どうなりたいかというビジョンを持てるかどうか。もしホームランにこだわっていたら中途半端で終わっていた」。若き日の決断が、礎となっている。

 「首位打者を取られた年もあるし、打者としてのスケールは彼の方が上」と認める一方で、「僕はホームランがたくさん打てるわけでもないし、盗塁ができるわけでもない。いかに堅実に守ってヒットを重ねて、ホームにかえる走塁をするか。それが僕の全て」と秋山。この先も自分らしく、積み重ねていく。(デイリースポーツ・高橋涼太朗)

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