広島のドラフト２位・佐藤柳之介投手（２２）＝富士大＝が２７日からの中日３連戦（バンテリン）で、１軍デビューすることが２４日、決まった。新井貴浩監督（４８）が明言した。３戦目となる２９日の先発が見込まれ、２５日から１軍に合流する。左腕は前回１８日のウエスタン・阪神戦で九回１死まで無安打投球を披露。気負わず、自分らしく腕を振ると宣言した。

　節目のマウンドが迫っても、表情に硬さはなかった。佐藤柳は大野練習場で調整し「２軍でやってきたことを１軍で出せるように。萎縮せず、自分らしく投げたい」と穏やかな笑みを携えて意気込んだ。

　リーグ戦再開の幕開けは敵地での中日戦。新井監督は「ドラゴンズ戦で佐藤（柳）いくから」と明言し、３戦目でのプロ初登板初先発が濃厚だ。左腕はここまで２軍で１０試合に登板して２勝１敗、防御率２・９５だった。

　際立ったのは、九回１死まで無安打投球を示した前回１８日の阪神戦（ＳＧＬ）。プロ入り最長の９回を投げ、２安打無失点の好投を示した。キャンプからオープン戦途中まで１軍に帯同するも、開幕は２軍。「初回の入り、先頭打者、球の高さ、変化球の精度。挙げるとキリがないけど、そういう一つ一つを練習から意識して、試合で取り組んできた」と明かした。

　投球のテーマはストライク先行。「３球で追い込むとか、そういう初歩的なことを１軍の舞台でこだわり切れば、自分が苦しくなることは少ない。自滅だと自分の力量も分からないし、チームに迷惑をかけるだけ」と引き締めた。

　敵地の中日戦で１軍デビューするのは偶然にも、背番号２８を受け継いだ床田と同じ。「先輩たちに支えてもらいながら、１年目らしく投げたい」と佐藤柳。等身大の自分を貫いて、始まりの１勝をつかむ。

　◇佐藤　柳之介（さとう・りゅうのすけ）２００２年１１月１日生まれ、２２歳。宮城県出身。１７９センチ、８７キロ。左投げ左打ち。投手。東陵高、富士大を経て、２４年度ドラフト２位で広島入団。今季ウエスタンでは１０試合で２勝１敗、防御率２．９５。回転数が多くキレのよい直球が魅力。変化球も多彩。