広島・新井監督「自分のミス」 7ー0から大逆転負け、延長十回栗林サヨナラ被弾 八回継投失敗「森浦を用意させていなかった」
「日本ハム8-7広島」(15日、エスコンフィールド)
広島が7-0から大逆転負けを食らった。六回に8安打を集中させる猛攻で6得点。快勝ムードが漂うも、終盤に急転直下。八回に4点を失うと九回に同点とされ、延長十回に一発を浴びて今季5度目のサヨナラ負けとなった。新井貴浩監督(48)は継投面に目を向け、「自分のミス」と責任を背負った。痛すぎる1敗で2カード連続の負け越しとなった。
誰にも予想できない結末だった。熱気が充満し、大歓声が反響するエスコンフィールドで広島ナインは固まってしまった。7点差を追い付かれて迎えた延長十回、栗林が田宮に痛恨のサヨナラアーチを被弾。試合終了後、新井監督はしばらくベンチから立てずに一点を見つめ、険しい表情でダグアウトへと引き揚げた。
「自分のミス」。指揮官はその言葉を繰り返した。初回に先制。六回にはモンテロや坂倉に適時打が飛び出し、打者一巡となる8安打を放って6点を挙げた。六回表終了時でスコアは7-0。日本ハム戦の4年連続勝ち越しへ、道筋は見え始めていた。
暗転したのは7-1で迎えた八回。完投ペースで投げ進めていた先発の森が、先頭からの3連打で無死満塁のピンチを招くと、この日猛打賞を記録していたレイエスの右犠飛で1点を返された。
ここで新井監督は森から中崎へスイッチ。この判断を「自分のミスだと思う。昨日も勝ちパターンは投げていないし、今日は日曜なので(月曜は試合がない)。あそこで森浦を用意させていなかったのは自分のミス。ザキ(中崎)もちょっと戸惑ったと思う。ザキにも申し訳ない。自分のミスです」と継投失敗を認めた。
中崎は野村に中犠飛、宮崎に三塁線への適時二塁打を許して火消しに失敗。2死二、三塁になったところで、ようやく勝ちパターンの一角を担う森浦を投入したが、けん制悪送球でさらに1点を失った。代打・万波を中飛に封じたものの、このイニング計4失点で7-5となり、「もう、あそこまでいったら流れが完璧に向こうにいっている。それも含めて、森浦を用意させていなかった自分のミスです」と全てを背負い込んだ。
指揮官の言葉通り、九回も相手に傾いた流れを止めることができなかった。W守護神の一角、ハーンが2死二、三塁からレイエスに中前への同点適時打を食らった。そして延長十回のサヨナラ被弾。火の付いたパ・リーグ首位チームの勢いに完全にのみ込まれてしまった。
救いがあるとすれば、打線が13安打7得点を挙げたことと、セ・リーグ球団が全敗したためゲーム差に変動がなかったこと。17日からはソフトバンク、楽天と続く本拠地6連戦が始まる。新井監督は「残り2カード、しっかり頑張りたいと思います」と言った。交流戦優勝の可能性もまだ残されている。悪い流れは北広島に置いて帰り、広島で仕切り直す。




