広島2安打貧打線の起爆剤に!中村奨成が意地 代打でバウアー撃ちプロ初三塁打 打率も上昇・444

 8回、代打で三塁打を放ち、拳を突き上げる中村奨(撮影・佐々木彰尚)
 8回、代打・中村奨は右中間に三塁打を放つ(撮影・佐々木彰尚)
 8回、右中間打を放ち、三塁へ走る代打・中村奨(撮影・佐々木彰尚)
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 「DeNA2-1広島」(27日、横浜スタジアム)

 広島が今季初の同一カード3連敗を喫した。横浜スタジアムでの連敗も球団ワースト記録を更新する7に伸びた。連勝が続いた4月中旬の勢いに陰りが見える中、希望の光をともしたのが中村奨成外野手(25)だ。八回に代打起用されると、8年目にしてプロ初の三塁打。バットでのアピールを続ける若武者が再浮上への起爆剤となる。

 三塁ベースに滑り込み、拳を力強く突き上げた。右中間フェンス手前への大きな飛球は右翼手が目いっぱい差し出したグラブの先をかすめていった。持ち前の俊足も生かし、二塁ベースを全速力で蹴った。難敵から快音を奏でた中村奨の姿に、沸き立った左翼スタンドの鯉党は夢を見た。

 「いい投手なのは分かっていた」。1点を追う八回1死で代打で登場。相手先発のバウアーはそこまでカープ打線を1安打に封じていた。「代打での1打席だけなので、いいイメージだけを持って思い切っていった」。その言葉通り、2球目の真ん中直球をたたくと、プロ8年目で初めての三塁打となった。

 メジャー通算83勝を挙げ、20年には投手の最高タイトルであるサイ・ヤング賞も獲得した実績のある右腕からの一撃。結果的に後続の田村と羽月が連続三振に斬られて、絶好の同点機は逸したものの、新井監督は「ナイスバッティングだったね」と称賛した。

 今季の中村奨はひと味違う。球の見えやすさを重視してオープンスタンスに打撃フォームを変更し、ここまで20打席で三振はなし。昨季は1軍で70打席に立って13三振。5・3打席に1度は三振を喫していたが、今季は積極的な姿勢と対応力に磨きがかかっていることがうかがえる。

 好調を買われて4戦連続スタメン起用された前日の試合では初回に内野安打で出塁するも、一塁でけん制死。九回の好機でも凡退して悔しさを味わったが、気持ちはすぐに切り替えた。「まだ(打率は)4割ある」。秋山をケガで欠く今、若手の外野手にとっては千載一遇のチャンス。すぐにやってくるアピール機会を前に落ち込んでいる暇はなかった。

 これで打率は・444まで上がり、少しずつチーム内での序列も上昇してきた。「1点差のゲームで代打として出してもらえることが、自分にとってもいい経験。そういう中でチャンスメークができたのは良かったと思います」。次カード・巨人戦の舞台は4年前にプロ初本塁打を放った東京ドームだ。いいイメージが残る球場で元気のないチームを押し上げる。

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