広島・森下 開幕投手の力見せた最速150キロ “塹江推し”新井監督「揺らいできた」打者10人に36球

 シート打撃登板で、笑顔を見せる森下(撮影・市尻達拡)
 シート打撃で力投する森下(撮影・市尻達拡)
 力投し最速150キロをマークした森下(撮影・市尻達拡)
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 「広島春季キャンプ」(20日、沖縄)

 広島・森下暢仁投手(27)が20日、大瀬良、床田とともに今年初の実戦形式となるシート打撃に登板した。最速は150キロをマークし、自身初となる開幕投手へアピールした。3投手の力強い投球に新井貴浩監督(48)はリリーフ左腕・塹江に託すことを明言している開幕投手について、「揺らいできた」とニヤリ。26日までの沖縄キャンプ中に大役を最終決定する方針を示した。

 強い思いはボールに乗り移り、数字にも表れた。寒空の下で行われたシート打撃で森下の速球がうなった。スタンドで見つめる地元幼稚園児からの声援も背に最速は大台の150キロに到達。今年初の実戦形式を「いい感覚で投げられた。真っすぐが力感なく、しっかりした回転で投げることができているのかな、という感じがする」と振り返った。

 結果以上の内容があった。大瀬良、床田が投じた後にマウンドに立つと、3人の中では唯一、インターバルを挟む2セットの投球を見せた。計打者10人と対戦し、36球を投じて被安打は4。1セット目は直球主体、2セット目は変化球中心のプランを立てて腕を振った。

 18球中10球が直球系だった1セット目はファビアン、小園、田村に安打とされるも球には力があり、変化球の割合が増えた2セット目はファビアン、モンテロから連続三振を奪取。「最初は真っすぐでしっかり投げることができて、その後は変化球を使いながら投げた。まだ左打者にはカットボールしか内角に投げてないし、右打者には内角に投げてない。次は両サイドにしっかり投げきれるかをやりたい」と着実に段階を踏んでいる。

 この日は開幕投手を争う大瀬良、床田もシート打撃に登板した。3人の投球を見た新井監督は「大地、森下、トコにしても順調だと思う。すごくいい感じできているように見えました」と笑顔。キャンプ初日から「塹江です!」と言い続けている開幕投手について再び問われると、「塹江でほぼほぼ固まっていたけど、やっぱり彼ら3人がね、順調な仕上がりを見せてくれたので。ちょっと揺らいでいます」と偽らざる心境を明かした。

 4人に絞られている大役レース。指揮官は最終決定時期について、「逆算して登板しないといけないから、なるべく早めにとは思っています。沖縄キャンプ終了までにはと思っている」と初めて明言した。

 今キャンプは自身4年ぶりとなる初日にブルペン入りするなど、心意気を示し続けている森下は「もっとアピールできるように頑張りたい」と気合。強い思いあり、指揮官の壮大なジョークありの開幕投手争いは間もなく、決着の時を迎える。

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