「練習試合、阪神０－１１広島」（１６日、バイトするならエントリー宜野座スタジアム）

　報道陣を前に広島・新井貴浩監督（４８）は問いかけた。「やっぱり見ている方も楽しいでしょ？」。若ゴイが打ちまくっての１３安打１１得点での大勝劇。打撃特化型で臨む今キャンプの成果が目に見える形で現れ、言葉には手応えが漂う。「一人一人、スイングの強さは出てきているから。みんな良いバッティングだった」と目尻を下げた。

　アピール合戦が止まらなかった。高卒３年目の内田が４安打５打点で爆発すると、二俣、末包、中村健も適時打を放った。レギュラー獲りを目指す野手たちが続々と快音を奏でて、沖縄キャンプ第１クールが終了。「対外試合が増えていく中で、若い選手がすごくいいものを見せてくれた充実したクールでした」とうなずいた。

　この日は２００８年から７年間在籍した阪神のキャンプ地・宜野座に監督就任以降初めて乗り込んだ。タテジマのユニホームで、さまざまなものを背負って汗を流し続けた場所に“帰還”。「ベンチから（出て球審に）交代を告げるたびに、『新井さん、頑張って』とタイガースファンの方にも声援をいただいた。うれしいですよね」とかみしめた。

　試合前のメンバー表交換の際には阪神・藤川球児新監督とも言葉を交わし、「よろしくね」と伝えたという。開幕カードの相手を圧倒しての勝利。“前哨戦”を最高の形で終えた。