広島・常広 今季初の対外試合で先発「期待されている」 新井監督は「彼も楽しいんじゃないの?」 昨季は出遅れ

 「広島春季キャンプ」(13日、沖縄)

 広島・常広羽也斗投手(23)が今年チーム初の対外試合となる15日の練習試合・ヤクルト戦(浦添)で先発することが13日、決定した。“開幕投手”を託された右腕は沖縄キャンプ初日のこの日、ブルペン入りして抜群の修正能力を発揮。後ろで投球を見つめた新井貴浩監督(48)もアピール著しい姿にうなずき、大きな期待を寄せた。

 苦笑いを浮かべた常広の視線の先にはコザしんきんスタジアムに隣接する屋内練習場があった。「昨年は野球していないので。ずっとあそこにいましたから」。沖縄キャンプ初日、思うように投げられなかった1年前の記憶がよみがえってきた。あの苦しみを経て、大器の片りんを見せつつある2年目の春。気合みなぎる右腕に絶好のアピールの舞台が用意された。

 今年チーム初となる対外試合の先発マウンド。“開幕投手”を託され、自らが「期待されているというのは当然分かっているというか、そういう立場になっていると思う」と受け取った。2イニング程度の投球が予定されており、「その期待に応えられるように、自分らしく投げられたらなと思います」と腕をまくる。

 表情は1年前とはまるで別人だ。新人年の昨年のキャンプは2軍スタート。その後、1軍の沖縄キャンプに帯同したが、右肩のコンディション不良などでノースローで終える日もあり、大きく出遅れた。

 一方で今年は1軍でキャンプをスタートさせ、日南ではシート打撃で最速150キロの圧巻投球を見せて周囲を驚かせた。練習中も笑顔が多い。実戦では結果を求められる立場だが、「仮に結果が悪かったとしても、次に練習できる内容、テーマを試合でもらえると思う。目先の結果を気にしつつ、気にしない。そういうスタンスで行こうかなと思います」と気持ちのゆとりも垣間見せる。

 この日はブルペンで61球を投じた。序盤は直球が「あまり良くなかった」というが、投げ進めながら感覚を微修正していき、「『こういう感じかな』としっくりくる感覚があった」。後ろから見つめていた新井監督も「途中から良いボール来たな。何か変えたの?」と右腕に尋ねるほどの変わり身だった。

 指揮官は「彼も楽しいんじゃないの?制限なく投げ込みもできるし、すべてのメニューもできるので。対外試合で見るのが楽しみ」と生き生きした姿に目を細める。常広も「相手バッターと勝負しないと意味がない」と実戦を待ちきれない様子。沖縄での苦い思い出は、充実感あふれる日々へと塗り替えられようとしている。

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