広島・菊池 若手に猛ゲキ「『俺が取ってやる』ぐらいの選手がいないとダメ」 安仁屋氏と春季キャンプ特別対談
広島・菊池涼介内野手(34)と、デイリースポーツ評論家で広島OBの安仁屋宗八氏(80)が春季キャンプ特別対談。若手主体の野手が猛練習に励んでいる今キャンプ。調整を一任されている菊池は何を見て、何を感じているのか。
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-今年でプロ14年目を迎える。
菊池涼介内野手(以下、菊池)「あっという間に駆け抜けている感じです」
安仁屋宗八氏(以下、安仁屋)「早いよなぁ。今キャンプは調整を一任されているよね」
菊池「僕や秋山さんからすれば、お任せはお任せじゃないんです。それだけ責任重大。30歳過ぎからお任せ、別メニューという感じでやってきましたが、年々その重みが増しています。やらなければ、この場にいられない。しかもそうやって言われている以上やって当たり前で、やってくれると思ってのお任せだと思うんですね。だから、その期待を裏切れない」
安仁屋「責任もあるし、逆にキツいと思う。ある程度の年齢になって、伸びしろは少ない。維持しかないしね」
菊池「維持するのは現役である以上絶対なので。その上で今のチームでどういう役割なのか、一歩外から若い子の打撃を見たり、投手の輪に入って会話したりして、シーズン中に『この子にはこういう言い方をしてあげないといけない』っていう見極めも結構大事。あとは今、野手は振る量も増えてるので、疲れてきた時にダラッとなることは絶対にある。僕らもそれはありました。そこで『休みまでもう一丁頑張ろうぜ!』とか、そういう声掛けはしています。それは輪の中にいたら気づかない。なので個人で練習していても、グラウンドの選手たちのプレーは僕らも気になって見ています」
-一歩引いた立場から見た若手たちの姿はどう映る?
菊池「秋から相当振り込んでいるだろうし、春も見ての通り振りっぱなし。ただ、僕は選手の温度が『これは秋のキャンプ?』と思いました。僕らも1日1000スイング以上というのは(石井)琢朗さん(が打撃コーチ)の時からやってきた。その中で体が重い、手が痛い、寒いとかあるけど結果にこだわってきた。今はその1個の結果にこだわる選手が少ないかなって、僕は感じています。みんなシート打撃もザーッとやっているんじゃないかなって。ちょっと初日(5日)は思って…」
安仁屋「確かに人を押しのけてまで、という姿が見られない気がするね」
菊池「一から十を言わなくても、もう一言で『寂しいな』と。春のキャンプは勝負だと思うんです。その場所で『普通に真っすぐを見逃し三振か』と、そういう場面を見て僕は思ってしまって。『俺らにチャンスあるわ』じゃなくて、『俺が取ってやる』ぐらいの選手がいないとダメ。それを思えばシートノックとかもなんかだらけてるなと。ノーエラーで絶対やってやろうって思ってる人もいないだろうし、1本目から普通に送球ミスもする人もいる。『キャッチボールで何してたの?』と。そんな感じなので。だから寂しい」
安仁屋「それを若手に言ってほしい」
菊池「現時点では言えないんです。僕は(若手と)同じ練習量をこなしてないし、同じ空間にいない。ただ、沖縄に行って、少し練習量が落ちて、体が楽になった時に、僕らよりできてなかったら『何してたの?』ってなっちゃうよっていう」
安仁屋「自分に厳しくということよね」
菊池「そうですね。沖縄キャンプが楽しみです」