広島・内田“誠也”効果 合同自主トレで新フォーム「タイミング合いやすくなった」新井監督も絶賛
「広島紅白戦、白組4-3紅組」(9日、天福球場)
今季3年目を迎える広島・内田湘大内野手(20)が9日、今キャンプ初の紅白戦で大いにアピールした。白組の「5番・三塁」でフル出場し、2安打3打点。四回は2死満塁から左越えに走者一掃の適時二塁打を放ち、成長の跡を示した。新井貴浩監督(48)は内田の姿をカブス・鈴木誠也に重ね合わせて絶賛。期待の若鯉が開幕1軍を目指して突き進む。
豪快に振り抜いた。二塁に到達した内田は両手を上げて、喜びを表現。スタンドから注がれる拍手の大きさが、若鯉への期待の高さを物語っていた。「結果が出たので、良かった」と2本の快音をプラスに捉えた。
四回2死満塁。森浦の2球目直球をジャストミートした打球は、大きな弧を描きながら左翼頭上を越えた。走者一掃の3点適時二塁打。「小園さんからサード(の定位置)を取ってやるという気持ちでいきました」と熱い気持ちを持ってバットを握った。
課題を修正できた一打にもなった。第1クールに実施された実戦形式の練習では「直球も変化球もキレイに打とうとし過ぎた。ストライクに差し込まれ、ボール球を振って、あいまいな感じになっていた」と分析した。
それを踏まえ、この日は積極性を出していくと決めた。「真っすぐを打ちに行ってボールは見逃せたらラッキーぐらいの感覚で。修正できたので良かった」と納得顔。七回は2死一塁で左前打と、再び詰めかけたファンを沸かせた。
1月上旬は沖縄県内でカブス・鈴木誠也らとの合同自主トレに参加。鈴木の助言で従来より構えのスタンス幅を狭め、シンプルに始動するフォームに変更した。「スタンスを狭めてからタイミングも合いやすくなった」と“誠也効果”を実感する。
新井監督も高い評価を口にした。「彼の一番いいところは自ら練習して、自分を追い込むことができる点。これは誠也と共通している。こちらが黙っていても、勝手に自分でやる。これは大切な才能だと思います」。熱心に努力を重ね、妥協を許すことなくレベルアップに励む姿を、偉大な強打者とダブらせた。
内田は昨季の最終戦となった10月5日・ヤクルト戦(マツダ)で1軍デビュー。プロ初安打も記録した。2軍では試合日にもかかわらず、寮に隣接する屋内練習場で早朝5時半から汗を流してきた。
この日の守備では2失策を記録。「焦りがあった。これから修正していければ」と前を向いた。「すごい選手ばかりだけど、自分も負けじと結果を残して(ポジションを)取っていきたい」と内田。持ち前のストイックさと貪欲なアピールで、明るい未来を切り開く。





