広島・小園が執念打で死闘ドロー 七回振り出しに戻す気迫の左前同点打「いいところに落ちてくれた」

 「広島2-2阪神」(1日、マツダスタジアム)

 価値あるドローだ。序盤2点のビハインドを追いつき、投手陣が踏ん張り抜いた。“打のヒーロー”は広島・小園海斗内野手(23)。1点を追う七回。2四球で巡ってきた1死一、二塁の好機。“小園斬り”をもくろみ、この場面でマウンドに立った阪神・桐敷から見事、左前に落とす同点打で試合を振り出しに戻した。

 長打も乏しい、本塁打も少ない-。つないで点をとるしかないカープ打線において、小園のしぶとさが際立った。1-2で迎えた七回1死一、二塁から左前への適時打。同点とする価値ある打撃で場内はこの日1番の歓声に包まれた。

 「積極的に打ちにいった結果、いいところに落ちてくれた。同点につながって良かった」

 会心の一撃ではなかった。左腕・桐敷に対して、カウント3-1からインハイに投じられた149キロ直球を強振。詰まった打球はフラフラと舞い上がり、左翼手と遊撃手の間にポトリと落ちた。その間に二走・野間が生還。“渋い”適時打となり、「(前の2打席で)凡退していた。取り返せるようにと思っていた」と汗を拭った。

 二回1死では豪快な打撃も見せた。左腕・伊藤将と対峙(たいじ)し、直球を振り抜き、右翼フェンス直撃の今季初三塁打。得点には結びつかなかったが、柵越えまであと一歩のところまで打球を飛ばし、今季初本塁打の予感を漂わせた。

 ここまでは主軸として全試合にスタメン出場中。打撃面での期待も大きい上に、守備面においては与えられる役割が変化してきている。開幕は遊撃として迎えながらも、直近は守備での貢献度が高い矢野が遊撃に入り、小園は直近10試合中7戦で三塁スタメン起用。終盤にはポジションを遊撃に変えて守ることもある。

 試合ごと、試合中にも変わる守備位置。打撃への影響も心配する声もあり、実際にオープン戦では2本塁打を放つなど打率・319の好成績を残しながらも、シーズンに入ると、試合前の時点で打率・247、0本塁打にとどまっている。それでも小園は「関係ないです」とキッパリ。「(本塁打を)打ちたいと思っていない。つなぐ意識で気負わずにやっている」と前を向く。

 慣れない三塁守備では「動きすぎない」ことを意識し、守備範囲の広い遊撃守備時と比較して、ドッシリと構える。「サードはゆっくりめに動いたほうがいい。慌てないように。時間はあるのでしっかり間を見て守ることを意識してます」と話す。

 チームは今季4度目の引き分け。勝ちきれなかった悔しさも抱えながら、背番号51は次こそ勝利に導く一打を放つ。

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