広島 斉藤の胸躍る 松坂大輔氏&黒田博樹氏Wレジェンドの教え即実践 「投げ込みやるのも良いんじゃないかな」

 ブルペンで(左から)日高は松坂氏に、斉藤は黒田アドバイザーに直接指導を受ける(撮影・市尻達拡)
 松坂氏(右)から投球について指導を受ける斉藤(撮影・市尻達拡)
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 「広島春季キャンプ」(3日、日南)

 広島の斉藤優汰投手(19)が3日、レジェンド塾を受講し、薫陶を授かった。今キャンプ2度目のブルペン入りで40球。投球後には視察に訪れていた松坂大輔氏と黒田博樹球団アドバイザーから約1時間に及ぶ熱血指導を受けた。両氏からは投げ込みの重要性などを説かれた右腕。金言を胸にプロ初勝利を目指す。

 金の卵にとって、そこは異空間だった。ブルペンで腕を振る自身の後方には新井監督、黒田球団アドバイザー、松坂氏のレジェンドトリオ。鋭い視線を浴びながらも、集中力を研ぎ澄まし、力強い球を投じた。斉藤の胸がさらに高鳴ったのは、その後だった。

 「黒田さんのところにスーツの人が見えて、『誰かなぁ?』と思って、呼ばれたので行ってみたら、松坂さんだったので、びっくりしました。『うぉっ』ってなった」

 ブルペン投球を終えて、新井監督と黒田氏のところに赴くと、そこには松坂氏の姿が…。平成の怪物を前に自然発生的にレジェンド塾が“開講”された。身ぶり手ぶりの指導は徐々に熱を帯びていき、同い年の右腕・日高も加え、結果的に約1時間にわたって、言葉を交わし合った。投球プレートの使い方などの投球フォームについて助言された中、斉藤の胸に突き刺さったのは投げ込みの重要性だった。

 「(両氏ともにキャンプでは)投げ込みをしていたとおっしゃっていて、投げていかないと体の使い方を覚えていかないから、投げ込みをやるのも良いんじゃないかなと言ってもらいました」

 松坂氏と黒田球団アドバイザーからはキャンプ中に1日約200球の投げ込みを行う日もあったことを伝えられた。「疲れて投げた方が自然と楽な投げ方にしようとなってくる。もっと投げたいなと思います」。斉藤自身のプロ生活での最多投げ込み数は120球。レジェンドに背中を押され、未知の領域へ足を踏み入れる決意を固めた。

 「2人のすごい方から話を聞けたので、全部やってみたいと感じました」。その言葉通り、午後の練習では、この日2度目のブルペン入り。教えを即実践する貪欲さを周囲に見せつけた。

 レジェンド塾を見守っていた新井監督は「ぜいたくな時間。本当に感謝しています」と両氏に頭を下げた。「めちゃくちゃ教えてくれたでしょ?彼らにとって忘れられない1日になったのでは」と未来のエース候補たちに期待の視線を向けた。

 金言を授かった斉藤も「1軍で投げて初勝利、初勝利と言わず、どんどん勝っていきたいです」と気合を入れ直した。突然訪れたスペシャルな1日。この経験を野球人生の分岐点とする。

 ◇斉藤 優汰(さいとう・ゆうた)2004年5月27日生まれ、19歳。北海道岩見沢市出身。189センチ、91キロ。右投げ左打ち。投手。明城中2年から投手を始め、苫小牧中央に進学。2年秋からエースに。MAX151キロ。22年度ドラフト1位で広島入団。昨年の2軍成績は5試合に登板し0勝1敗、防御率4.02。

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