カープ末包 4番で快音締め 秋季C全試合で指名「任された時、しっかり結果を残して長くいられれば」
「広島紅白戦、白組0-8紅組」(20日、天福球場)
広島・末包昇大外野手(27)が20日、秋 季キャンプ最後の紅白戦に4番で2安打1打点と結果を残した。今季チーム最多の50試合で4番を務めたマクブルームが退団し、中軸を担った西川のFA移籍も決定的。キャンプ中の紅白戦では全6試合で4番に入り、新井貴浩監督(46)からは候補の一人として期待される中、まずはレギュラー獲りへとさらに打力を磨く。
両手に残った感触が末包の表情を笑顔にさせた。秋季キャンプ最後の紅白戦でマルチ安打。練習を終えて球場から引き揚げる際、自ら「終わり良ければ、すべて良し」と切り出して納得顔を見せた。
「4番・一塁」でフル出場。まずは四回1死で斉藤から左翼線への二塁打。カウント1-2と追い込まれていたが、力強いスイングで好機を演出した。そして七回は2死一、二塁の好機で森浦から右前へ適時打。「最後はしっかり(アピール)できたかなと思います」と振り返った。新井監督も「状況に応じた打撃ができている」と評価を与えた。
今キャンプで組まれた紅白戦は計6試合。末包は26打数6安打3打点で、打率は・231だった。打撃フォーム良化を目指して試行錯誤を重ね、今秋最後の実戦で快音締め。とりわけ全試合で4番に入った長距離砲に指揮官は「もちろん、そういうモノ(4番候補としての期待)を持った選手」と4番を担える男の一人として位置付けている。
今季、チーム最多の50試合で4番に座ったマクブルームは17日に退団が発表された。2番目に多い46試合で4番を打った西川もFA移籍が決定的な状況。シーズン終盤からポストシーズンにかけては堂林が4番に入った。
末包本人は「龍馬さん、堂林さんは4番でも結果を残したので、長く4番にいたのかなという印象がある。打っていければ4番に長くいられると思う。まずはレギュラーを取って4番を任された時、しっかり結果を残して長くいられれば」と来季を見据えた。
出場機会を増やすオプションとして一塁にも挑戦。新外国人のシャイナーは一、三塁と外野を守れ、レイノルズは内野全てをこなせる。外野の定位置が1枠空いても、自身のライバルは増えている。その競争にも、打力で勝ち抜く覚悟だ。
「やっぱり打たないことには監督の(起用の)選択肢に僕が入って来ない。自分がどれだけ頑張れるか。前向きに自分の結果を出すことに重きを置きたい」と末包。自己最多の11本塁打を放った今季を助走期間に、自慢のバットで赤ヘル打線に欠かせぬ存在となる。
◆2023年の先発4番 今 季広島の先発4番を務めた打者はセ・リーグ球団最多の7人。内訳はマクブルーム(50試合)、西川(46試合)、堂林(14試合)、松山(14試合)、上本(12試合)、デビッドソン(4試合)、菊池(3試合)だった。最多本塁打はマクブルームの5本、最高打率は西川の.316、最多打点はマクブルーム&西川の27打点。末包はプロ2年で公式戦での先発4番はなし。22年オープン戦 で8試合経験している。