広島・二俣 最初から体開いて“開”眼気配 フォーム改造でフェニックスL打撃好調
広島の二俣翔一内野手(21)がみやざきフェニックス・リーグで好調を維持している。9月から取り組む歩幅を狭めるフォームに手応えを感じているのが要因だ。今季は故障なくシーズンを完走したが1軍出場はなかった。秋季キャンプで新井監督にアピールし、来春1軍キャンプの切符をつかみ取る意気込みだ。
左翼方向に快音を残して飛んだ打球に、二俣は取り組むフォームの手応えがあった。22日のヤクルト戦だ。内角カーブを捉え本塁打を放った。「(タイミングを)外されたけどしっかりバットが出せた」。理想の一打だった。
みやざきフェニックス・リーグではコンスタントに安打を記録する。要因は9月から取り組むフォームにある。構えたときに歩幅は極端に狭く、上半身がスッと立っているのが特長的だ。
狭さが目につくものの、ポイントは左足の位置。オープン気味に構えている。
「打ちにいくときに左肩が入っていた。良太さんに、それなら最初から開いた状態でやってみればと言ってもらったのがきっかけです」
新井良2軍打撃コーチの助言を受けスタンスを変更。体を開いて構える形に挑戦した。歩幅が極端に狭くなったのは、投球の見やすさに重点を置いたから。広げて構えたときよりも、狭くした方が両目でしっかりと見えたからだ。
「見やすいから内角がさばきやすくなっている。インパクトの力も変わりました。無駄な力が抜けて、打つ瞬間だけに力を入れられています」
今リーグは30日の1試合のみとなった。手応えをさらに深めて帰広する。
今季の2軍戦は、チームでただ一人100試合を超える107試合に出場。打率・257、5本塁打、36打点を記録した。ケガなくシーズンを終えたのは3年目で初めて。試合に出場しながら積んだ経験は大きな財産だ。
1軍出場を目指す来季。11月から始まる秋季キャンプがその第一歩となる。「もう戦いは始まっているので。新井監督にしっかりとアピールをして、来年の1軍春季キャンプに呼んでもらえるようにしたい」
育成からはい上がってきた右の長距離砲は燃えている。
◇二俣 翔一(ふたまた・しょういち)2002年10月21日生まれ。静岡県御前崎市出身。内野手。身長180センチ、体重75キロ。右投げ右打ち。磐田東高では1年から遊撃のレギュラー。2年夏に捕手に転向した。20年度育成ドラフト1位で入団し、22年から再び内野手に転向。シーズン終了後に支配下登録された。





