秋山サヨナラ打でカープ王手 スタメン落ちの悔しさぶつけた 西武時代に「レジェンド」から学んだ準備の大切さ

 延長11回、サヨナラ打を放った秋山は新井監督(左)と抱き合って喜ぶ(撮影・田中太一)
 サヨナラ打を放ち、ナインから手荒い祝福を受ける秋山(撮影・飯室逸平)
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 「JERA CSセ・ファーストS・第1戦、広島東洋カープ3-2横浜DeNAベイスターズ」(14日、マツダスタジアム)

 「2023 JERA クライマックスシリーズ セ」は14日、ファーストステージ(3試合制)が開幕し、レギュラーシーズン2位の広島が3位のDeNAに3-2で先勝した。同点の延長十一回、秋山翔吾外野手(35)が自身初となるポストシーズン(PS)のサヨナラ打。球団史上でも初となるPSのサヨナラ勝利でファーストS突破に王手をかけた。

 打球が抜けたのを確認すると秋山は一瞬うつむき、気持ちを込めるように右手を突き上げるガッツポーズ。二塁上で坂倉に抱きつかれ、あとは歓喜のウオーターシャワーに身を任せるだけだった。

 同点の延長十一回。堂林の二塁打などで2死一、三塁。秋山は1ストライクからウェンデルケンのチェンジアップを捉えると打球は前進守備のセンターの頭上を越えるサヨナラ打になった。

 悔しさをバットにぶつけた。CS初戦でスタメン落ち。今季、対東は10打数1安打。相性のいい末包に譲った格好となった。

 「しょうがない。東を打ってないし、チームとして最善のフォーメーションを組むのは当たり前。シーズン中に自分が結果を出しきれなかった。ああいうところに回ってきて打って、まだ、“こういうところにいます”というのを見せたいと思ってた。喜びもありますけど、ホッとしたところもあります」

 正直な心情を吐露した。スタメン落ちは決まっていたが、この日も誰よりも早くグラウンドに出て準備をした。12日の練習休日も体を動かした。それが秋山流だ。お手本にしている人がいる。西武時代の同僚・松井稼頭央(現監督)だ。

 「一緒にやったのは最後の1年(18年)だけ。レギュラーじゃなかったけど、それでもすごい準備の仕方をされていた。あれだけのレジェンドがこれだけするのかと。あれがあったから、もっとやらなきゃいけないと思わされた。すごくありがたかった」

 たとえ途中出場でも自分ができる最高の準備をして試合に臨む。プロとしての基本を教わり、それを実践し続けている。だからこそ、勝負を決める一打が打てる。

 球団史上初となるポストシーズンのサヨナラ勝利でファーストS突破へ王手をかけた。過去15回のファーストSで初戦勝利チームの突破率は86・7%。広島は18年からCS4連勝となり、この勢いで一気に決めたいところ。

 「そうですね。球団の(収入の)ことを考えずに言えば(笑)。みんなが粘っての勝利。油断せずにまた準備してやりたい」

 次の一打のために、やれるすべてのことをやって試合に臨む。

 ◆球団初!PSサヨナラ劇勝!! 広島は球団史上初となるポストシーズンサヨナラ勝利。CSではこの日が通算20試合目、日本シリーズは54試合を戦っているが、サヨナラ勝利を飾ったのは今回が初めてだった。さらに、CS史上でステージ初戦をサヨナラ勝ちで決めたのは21年のパ・リーグファーストSでのロッテ以来、今回が6球団目。過去5球団はいずれも各ステージを突破している。

 ◆ファイナルS進出は86.7% 2007年から開催されたセ・リーグCSで第1SならびにファーストSの初戦勝利球団がファイナルSへ進出した確率は86.7%。セCSは22年まで全15回開催され第1戦に敗れてからファイナルSへ駒を進めた例は09年・中日、17年・DeNAの2例のみとなっている。

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