カープ末包「手応えあった」V弾11号 1日最終戦に引き分け以上で地元CS決定 ファンの前で決める

 8回、勝ち越しソロを放ち、ナインに迎えられ歓喜する末包(撮影・田中太一)
 8回、勝ち越しソロを放つ末包
 6回、会沢が先制打を放ち、ベンチで大喜びする新井監督
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 「広島東洋カープ2-1阪神タイガース」(30日、マツダスタジアム)

 広島が接戦を制して本拠地でのCSファーストS開催に大きく前進した。同点の八回1死で末包昇大外野手(27)が勝ち越しの11号ソロ。値千金の一発でチームとファンを盛り上げた。これで今季74勝目で、新井貴浩監督(46)にとって、球団新監督シーズン1年目最多勝利となる一勝でもあった。1日は今季最終戦。この勢いで勝利し、ファンの前で2位を確定させる。

 体勢が崩されていても、末包には関係なかった。高々と舞い上がった打球は、失速することなく左翼フェンスを越えた。スタンドからどよめきの声が漏れる中、軽やかにダイヤモンドを一周。「打った瞬間は自分でも手応えがあった」。たくましい両腕から放たれた放物線が、2位でのレギュラーシーズンフィニッシュを近づけた。

 同点の八回1死。加治屋の初球、外角変化球に泳がされながらも、最後は左手一本で食らい付いた。打球は大きな弧を描き左翼スタンドに着弾。今季初対戦だったが「そこら辺(ストライクゾーン)に来たら振ろうというイメージだった」と大胆な意識も奏功し、最高の結果につなげた。

 お立ち台では「歯がゆい時間が続いていて、何とか流れを変えたかった」と率直な気持ちを吐露。ちょうど1週間前、9月23日・巨人戦でプロ入り初の1試合2本塁打を記録したが、それ以降の3試合では計10打数1安打と苦しんでいた。

 現状打破へのヒントをくれたのは、新井監督だった。23日に放った2発のうち、1本目は巨人・菅野の内角球を引っ張ったアーチ。「『内角直球をきれいに打てた後は、また打ってやろうと(体が)開きの方向に入る。気を付けて』と言われた」という。構えの動作を小さくする修正も施し、3安打の固め打ちに結びつけた。

 殊勲の働きに指揮官も「体勢は崩され気味だったけど、すごいパワーでした」と絶賛。これで今季74勝目。新井監督にとって、球団の新監督シーズン1年目最多勝利を更新し、歴代最多に躍り出る節目の白星となった。

 この日、末包は四回の第2打席で、登場曲をアリスの「チャンピオン」にした。つかみかけた~の歌い出しで始まる一曲。今季、自身が活躍すると新井監督が「(打撃を)つかんだみたい」と冗談交じりに称賛するのが恒例。それを踏まえ「つかみかけた、というフレーズを(監督が)ずっと歌ってくるので使った」と明かし、笑いを誘った。

 チームは1日が今季のレギュラーシーズン最終戦。引き分け以上で、CSファーストSを本拠地で戦える。「絶対に勝ちにいきたい試合に、スタメンで出してもらっているのはうれしい。継続していければ」と末包。この勢いで、2位の座をつかみ取る。

 ◆1日にも2位確定 広島の2位確定は最短1日。広島が今季最終戦となる阪神戦で引き分け以上なら、中日と対戦する3位・DeNAの勝敗関係なく2位を決められる。広島が敗れた場合、DeNAも敗れたら、広島の2位が確定。また、広島が1日に敗れDeNAが残り2試合を1勝1分けなら、両チームとも74勝65敗4分けで勝率.532となるが、セ・リーグでは当該球団間の対戦勝率が高い方が順位優先のため、広島が今季DeNA戦で勝ち越していることから上位となる。一方、1日に広島が敗れDeNAに残り2戦2勝されると、広島が3位となる。

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