カープ一岡 技術で押し勝つ 速球派から技巧派に転向3年目 復活の中崎から刺激

 広島の一岡竜司投手(32)が1軍昇格を狙い全力を尽くしている。今季は2軍での登板が続き、いまだに出場選手登録はない。チームは、パワーピッチャーが台頭し、救援陣の世代交代が進んだ。緩急を使う投球にモデルチェンジした右腕は、若鯉たちにはない持ち味を発揮してマツダスタジアムのマウンドを目指す。

 一球一球、丁寧に腕を振る。投球までに球を持つ時間に変化を付けたり、足を下ろすタイミングを変えたりと、投球動作で打者のタイミングをずらすことも意識する。一岡が新たなスタイルでマウンドに立ち続けている。

 「パワーピッチングへの諦めはついている。真っすぐでどんどん押してという投球からの変更には抵抗がなくて、新たなスタイルで投げられています」

 直球の球速は140キロ台前半。今はシュートやカットボールなど横の変化球で勝負する。直球の割合はかつてより減り、バットの芯を外すことでゴロを打たせる。6日のウエスタン・阪神戦ではコーナーをつき1回無失点と好投した。

 今季は2軍で21試合に登板し、1勝2敗、防御率6・86(10日現在)。悔しい結果となった登板も多い。

 「元々、低めを狙うタイプじゃない。真っすぐは絶対にベルトから下で、その分シュートは内角高めでいい。今までと正反対のことをしています」

 速球派からモデルチェンジして約3年。その難しさにぶつかりながらも新たな自分を探してきた。球威で抑えていた以前と比べ「今は反省がしやすい」。制球が甘くなれば打ち込まれる。課題をつぶしながらシーズンを戦ってきた。

 昨季は1軍で10試合に登板した。島内、矢崎、大道らが台頭し世代交代が進んだ今季は、ここまで1軍昇格がない。

 かつて勝利の方程式を組んだ中崎は復活を遂げた。「ザキはすごい。単純にすごい」。自身にできることは、自らの投球を磨くこと。年齢が近い投手の活躍にも刺激を受けながらマウンドに上がり続けている。

 今季でプロ12年目。シーズンは残り少なくなってきたが、大歓声の中で投げることを目指し続ける姿勢は変わらない。

 「スタイルチェンジする中でも、何が良くてプロに入ったかを考えながら投げたい。押すところは、ちゃんと押したい」。一岡は力強く言い切った。

 ◆一岡竜司(いちおか・りゅうじ)1991年1月11日生まれ。福岡県糸島市出身。投手。右投げ右打ち。179センチ、86キロ。大分・藤蔭高から沖データコンピュータ教育学院に入学。直球の球威が格段に上がりプロから注目を集める。11年度ドラフト3位で巨人に入団。13年オフにFA移籍した大竹の人的補償として広島へ移籍した。1軍通算成績は289試合登板、17勝14敗84ホールド7セーブ。

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