広島・新井監督 秘策不発で10差 天敵・大竹攻略へ左打者7人スタメンも秋山、西川また無安打 次回へ「ミーティングを」

 6回、選手交代を告げる新井監督(撮影・山口登)
 5回、ベンチ前で円陣を組む広島ナイン
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 「阪神タイガース5-1広島東洋カープ」(9日、甲子園球場)

 またも天敵に屈した。広島は打線が沈黙して阪神に2連敗。ゲーム差は今季最大の10に広がり、阪神の優勝マジックは一気に3つ減って「7」となった。相手先発・大竹攻略へ左打者を7人スタメンに並べたが、不発。これで左腕には0勝5敗、対戦防御率も0・64と苦手意識を拭えなかった。10日の一戦で、同一カード3連敗だけは阻止したい。

 攻撃の時間が相手より圧倒的に短かった。昼下がりの甲子園に響いたのは、赤色ではなく黄色の大歓声。相手先発・大竹に今回も苦戦を強いられての敗戦に、新井監督は「きょうも、いい投球をされました」と脱帽した。

 試合前の段階で大竹には今季0勝4敗と辛酸をなめ続けてきた。被打率は対右打者が・222、左打者が・292。「大竹くんも右(打者)の方が抑えるイメージがしやすいと思う。ウチの右打者の今までの反応、数字を見て、左(打者)でいってみようと」。指揮官はこの日、スタメンに左打者を7人並べる策を打った。

 しかし難敵の牙城は簡単に崩せない。140キロ台前半の直球と、チェンジアップ、カーブのコンビネーションに苦戦。五回まで散発2安打に封じられ、主導権を握れなかった。

 9月に入って状態を上げてきた堂林、末包、デビッドソンはベンチスタート。六回は先頭の代打・末包が左前打を放つも、続く秋山が三ゴロ併殺に倒れて好機の芽がしぼんだ。

 今カードは逆転Vを狙う上で一つも落とせない3連戦だった。直接対決に合わせ、離脱していた秋山を1軍昇格させて、4試合続けてベンチ外の西川も8日から4番に据えた。ベストに近い布陣で敵地に乗り込んだが、秋山、西川は前日に続いてともに無安打。2人の中心打者から快音が聞かれない現状も、誤算となった。

 阪神戦は来週末15、16日、さらに月末の30日、10月1日に組まれており、ローテ通りなら大竹との顔合わせは考えられる。阪神とはレギュラーシーズンの残り試合はもちろん、CSで対決する可能性もあるだけに“天敵左腕”に少しでも、苦手意識を植え付けたかった。新井監督は「きょうの映像を見て、打撃コーチとミーティングをしてやっていきたい」と次回対戦での巻き返しに燃える。

 これで甲子園では1分けを挟んで6連敗。同舞台では5月20日から7試合連続で2得点以下と、打線の活気が影を潜めている。「また、あしたの試合にしっかり備えたい」と意気込んだ指揮官。10日の一戦こそ、カープの意地を刻み込みたい。

 ◆マジック3つ減 通常は首位チームが勝ち、マジック対象チームが負けた場合は二つしか減らない。ただ、この日、阪神が勝って広島との対戦成績を12勝7敗1分けとし、5試合残して負け越す可能性がなくなった。阪神が残り19試合で7勝すれば、広島が残り15試合に全勝した場合にともに83勝56敗4分けで対戦成績も並ぶが、交流戦18試合を除いたリーグ内での勝率で上回る阪神の優勝が決まるため、マジックが3つ減る珍しいケースが発生した。セの規定ではレギュラーシーズンの勝率が同じ場合、①勝利数②当該球団間の勝率③リーグ内対戦成績(各125試合)の勝率④前年度順位-で順位を決定する。

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