奇跡の逆転Vへ広島 2試合連続サヨナラ 劇弾デビッドソンは福男「本当にいい気持ち」 赤ヘルファン大熱狂

 11回、サヨナラ本塁打を放ったデビッドソンはベンチへ向かってポーズを決める(撮影・田中太一)
 11回、サヨナラ本塁打を放つデビッドソン(撮影・田中太一)
 プロ初勝利を挙げ益田は新井監督と満面の笑み(撮影・田中太一)
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 「広島東洋カープ4-3横浜DeNAベイスターズ」(6日、マツダスタジアム)

 広島が2試合連続のサヨナラ勝ちを収めた。同点の延長十一回2死からマット・デビッドソン内野手(32)が、右翼席へ来日初のサヨナラ弾となる19号ソロをたたきこんだ。チームは7度目のサヨナラ勝利で、2試合連続は2019年以来4年ぶり。奇跡の逆転Vを信じて首位・阪神の背中を追っていく。

 高く舞い上がった放物線に、どよめきが起こる。デビッドソンは一塁へ走りだすと同時に、得意の“ごますりポーズ”を披露。打球の着弾点は、両手に残った感触が教えてくれた。劇的なエンディングを見せた、来日初のサヨナラ弾。「難しい試合展開を勝ち切れて、いい気持ち」と満面の笑みで胸を張った。

 同点の延長十一回にドラマが待っていた。2死で中川の初球149キロを力強くたたき、右翼スタンドへサヨナラ弾。「とにかく塁に出ようと心がけた。後ろにつなぐ気持ちだった」とデビッドソン。本塁で待ち受けるチームメートと歓喜の瞬間を分かち合い、最高の笑顔がはじけた。

 4番での先発出場は今季2度目。前の打席までは凡退が続いていた中、最後の最後に大仕事をやってのけた。「最後の最後に一番いい結果が出てうれしく思う」。さらにデビッドソンが本拠地・マツダスタジアムで本塁打を放てばチームは13戦全勝。まさに福を呼ぶ男として、シーズン最終盤の戦いを支えている。

 助っ人はもちろん、チーム全員が束になって相手を攻めた。特に輝きを放ったのは1番・小園。今季初の4安打と大暴れし、斬り込み隊長としての役割を全うした。最大の見せ場は3点を追う六回。会沢の2点適時二塁打で1点差に迫り、なおも2死二塁。フルカウントからエスコバーの151キロをコンパクトに捉え、左中間をきれいに破った。勢い良く三塁に滑り込むと同時に派手なガッツポーズを見せ、球場全体を揺らした。

 値千金の一打に小園は「会沢さんのいい流れに乗って、何とか走者をかえすことができて良かった」と笑顔。九回先頭で右前打を放ち、22年7月16日以来、プロ入り4度目の1試合4安打。怒濤(どとう)の固め打ちで、打線全体を鼓舞した。

 連日の劇的勝利に新井監督も「本当に2日連続すごい試合で、選手全員の頑張りには頭が下がります」と興奮気味に振り返った。首位・阪神とのゲーム差は7・5のまま。「優勝を狙って、やっている。球場に来て応援してください」と呼びかけたデビッドソン。そのバットなら奇跡への扉もこじ開けられる。

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