カープ床田 自責ゼロ粘投も自身初連敗 阪神と5・5差も諦めない「来週やり返せるように」

 7回2失点の粘投実らず5敗目を喫した床田(撮影・北村雅宏)
 1回、丸の犠飛で北村拓(52)の生還を許した床田
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 「読売ジャイアンツ2-0広島東洋カープ」(31日、長良川球場)

 広島は今季11度目の完封負けで、連勝は4で止まった。先発・床田寛樹投手(28)は初回、不運な打球からピンチを招き失点。7回2失点(自責点0)の粘投も報われず、5敗目を喫した。チームも2009年以来、14年ぶりに岐阜・長良川球場で敗戦。試合のなかった首位・阪神とのゲーム差は5・5に広がったが、仕切り直して9月戦線に臨む。

 オレンジ色のタオルがスタンドで揺れる中、床田はマウンド上で帽子を取って汗を拭った。かなうことなら、時計の針を巻き戻したい。「初回がすべてじゃないですかね」と悔しさを押し殺しながらバスへと向かう。立ち上がりのつまずきが最後まで重く響き、今季5敗目を喫した。

 初回無死一塁で、北村拓を打ち取ったかに見えた。打球は三塁へのボテボテのゴロだったが、小園が捕球する前にイレギュラーして内野安打となった。

 続く秋広が試みたバントを自ら処理して三塁封殺を狙ったが、小園の落球でオールセーフ(記録は小園の失策)。あっという間に無死満塁となり、坂本、丸の連続犠飛で2点を先制された。味方のミスをカバーしようと腕を振ったが、軍配は相手に上がり「踏ん張り切れなかった」と潔く結果を受け止めた。

 二回以降は尻上がりの投球で、少ない球数で巨人打線からテンポ良くアウトを重ねた。五回は1死一、三塁を無失点、六回2死満塁では代打・中田翔を148キロ直球で空振り三振。味方の反撃を信じて強力打線に挑んだ。粘りに粘って、7回2失点。自責点0という数字が、恨めしい。

 長良川球場は、大学時代の主戦場。5月9日・中日戦でも、この舞台で先発して白星を挙げていたが、その再現はならなかった。5回3失点で黒星を喫した前回8月24日・DeNA戦(横浜)に続いて、今季初の自身2連敗。「最近は調子がいいこともないけど、悪いことも別にない。ずっと“いいところ”でキープできているのかなと思うけど、勝てていないので」ともどかしさを言葉に変えた。

 新井監督は「打ち取った当たりがイレギュラーして、少しかわいそうだったね。でも、本当にナイスピッチングだった」とねぎらった。首位・阪神とは5・5ゲーム差となって、優勝争いはヤマ場の9月に突入する。「僕が足を引っ張っているかなと思う。何とか来週やり返せるようにしたい」と床田。左腕に心から笑える日が訪れることを、誰もが待ち望んでいる。

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