広島・大瀬良 まさか3被弾2戦連続KOで自己ワーストタイ9敗目 阪神と2・5差「申し訳ない」

 「広島東洋カープ0-13読売ジャイアンツ」(6日、マツダスタジアム)

 広島は、原爆を投下されてから78年、平和を祈念して「ピースナイター」と銘打って開催したが、今季ワーストタイの13失点。打線も今季10度目の零封負け。首位・阪神とは2・5ゲーム差に開いた。先発のエース大瀬良大地投手(32)は3被弾で5回4失点KO。早くも自己ワーストタイの9敗目。大敗の責任を一人で負った。

 『8・6』は広島にとって特別な日。被爆地、長崎出身の大瀬良も特別な思いを持って臨んだが、相手主砲のバットに打ち砕かれた。

 初回1死から坂本に安打を許すと、2死後、岡本和に146キロを左翼スタンド上段まで運ばれる一発で先制を許した。二回には長野に宝刀カットボールを本塁打に。さらに四回にはまたも岡本和に2打席連発を許した。昨季9月9日・ヤクルト戦(神宮)以来となる1試合3被弾。5回4失点で2試合連続のKOとなった。

 女房役の坂倉と話し合い、さまざまな球種で配球を試した。五回にはトレードマークのワインドアップからノーワインドアップも試した。もがき苦しみながらも糸口をつかむことができないまま敗戦に終わった。

 「なんとかと思ったんですけど、非常に申し訳ないです」

 あとを継いだリリーフ陣も打ち込まれ、終わってみれば5被弾に今季ワーストの18被安打でワーストタイの13失点という大敗。

 「あれだけ打たれてしまって、リリーフもそうですし、攻撃陣もいろんなバリエーションの中で攻撃していくことが難しかったと思う。申し訳ないです」

 繰り返す「申し訳ない」の言葉。敗戦の責任を一人で背負った。エースとして期待されながら応えられず、これで4勝9敗と大きく負け越している。首位争いをするチームの波に乗り切れていない。その状況がもどかしい。

 平和を願って緑に染まったスタンドは試合終了を待たずに空席が目立った。

 「勝って、いい形できょうという日を終えられたらベストだった。チームとしてもビジターが続いていく最後のホームゲーム。本当にいろんなことを考えながらマウンドに上がりましたけど、初回からああいう形になってしまって申し訳ない」

 どんなに打たれても、どん底に落ちても、必死にもがき苦しみながらはい上がってきた。だからエースと一目置かれる存在になった。8月戦線は始まったばかり。取り返すチャンスはまだまだある。

 ◆今季ワーストタイ13失点&ワースト5被弾 今季ワーストタイ13失点で、2桁失点は今季4度目。さらに1試合5被弾は2022年6月19日・ヤクルト戦(神宮)以来。マツダに限れば16年7月29日・DeNA戦以来の悲劇となった。なお1試合18被安打は今季ワーストで22年4月17日・中日戦(マツダ)以来。

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