カープ九里 ラオウと“乱闘未遂”にマツダ大爆笑 他球団の好投手とも交流「みんなの話が参考に」

 1回、マウンド上の九里に駆け寄る杉本(撮影・山口登)
 1回、杉本への初球を背中越しに投げる九里(撮影・田中太一)
 あわや乱闘と思いきや、マウンドで抱き合う九里と杉本(撮影・田中太一)
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 「マイナビオールスターゲーム2023・第2戦、全セ1-6全パ」(20日、マツダスタジアム)

 先発した広島・九里亜蓮投手(31)が初球宴を満喫した。投球内容は2回3安打1失点。プレーボール直後には大学時代から交流のあるオリックス・杉本と“乱闘未遂”の寸劇を披露してスタンドを盛り上げた。他球団の投手とも親交を深めた右腕は、充実の表情で2日間の夢舞台を終えた。

 赤い熱気を背に受けながら、九里が真っさらなマウンドに上がった。耳をつんざく大歓声。初めて踏みしめるオールスターの舞台、その空気を存分に味わえた。「楽しく投げられたと思うし、本当にいい経験になりました」と満面の笑みで、一流選手たちと過ごした時間を振り返った。

 プレーボール直後、九里が投じた初球に球場がどよめいた。投球はバントの構えをした杉本の背後を通過する大暴投。杉本が怒りの表情でマウンドに向かうと、九里も本塁へ歩み寄る。一触即発の雰囲気に緊張が走る。しかし、次の瞬間、両者は満面の笑みでハグ。試合開始早々の“寸劇”で、ファンを笑いに包み込んだ。

 杉本とは同い年。大学時代は九里が亜大、杉本が青学大に在籍し、同じ東都リーグでプレーしていた。前日19日に「何か面白いことをやろう」と二人で打ち合わせを行い、捕手・大城卓にも通達済みだった。「同級生で大学の時も同じリーグでやっていたし、ちょっと爪痕を残せたかなと思う」とニヤリ。「一番緊張しましたね」と話したパフォーマンスは大成功だった。

 投球内容は2回3安打1失点。二回先頭の柳田には公式戦で1球も投げていないナックルを2球続け、右中間への二塁打を浴びた。「しっかり打たれました」と苦笑したが、そんな遊び心も球宴の醍醐味(だいごみ)。本拠地で“オールスターデビュー”を飾り「純粋に楽しかったです」と少年のような笑顔で振り返った。

 第1戦は試合途中から一塁ベースコーチも務め「一度、立ってみたかった。投げるより緊張しました」。バウアーや今永ら、他球団の好投手たちとも言葉を交わし、自身のレベルアップにつながるヒントをもらった。

 「(バウアーとは)フォーム的な部分やイメージ的な部分を話した」と明かす。そしてバウアーに限らず「みんなの話が参考になった。色んなことをやってみながら自分の引き出し、財産として持っていればいいかな」。選ばれた者だけが集う特別な空間。そこで得た貴重な経験を自身の飛躍につなげる。

 2日間を終え「やっぱり、野球が好きだなと改めて実感できた」と九里。尽きない向上心を胸に、後半戦への準備を整えていく。

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