広島・坂倉 延長十一回決めた劇勝V打 4年ぶり巨人戦3カード連続勝ち越し 新井監督も絶賛 西川離脱に一丸
「巨人1-6広島」(13日、東京ドーム)
広島が、手に汗握る接戦を制した。決めたのは坂倉将吾捕手(25)だ。同点の延長十一回、2死二、三塁から中前へ勝ち越しの2点適時打。チーム全員の期待に応え、試合を決めた。チームは7月初の連勝となり、巨人戦は4年ぶりとなる3カード連続での勝ち越しとなった。西川が離脱という状況の中、チーム一丸で前半戦残り3試合を勝ちに行く。
勝ち越しの瞬間を見届けると、坂倉は派手にガッツポーズを決めた。熱戦に終止符を打った2点適時打。放った快音が、しぼみかけたムードを最高潮にまで高めた。ベンチは総立ちで、全員が笑顔になった。「いいポイントで打てたので、抜けてくれと思いながら走っていた」と勝利の余韻を感じながら振り返った。
延長十一回。無死満塁の絶好機で4番・松山が一ゴロ併殺に倒れて2死二、三塁に。流れが相手に傾きかけたが、集中力は切らさない。「考えてもしょうがないので、来た球を思いっ切り振ろうと」と大江の2球目を振り抜くと、打球は鋭く中前へ抜けていった。
九回の打席では無死一塁から遊ゴロ併殺。それを挽回する適時打にもなった。守っては7人の投手を懸命にリード。終盤は再三のピンチを封じ続けた。「本当にジャイアンツはすごい打者ばかり。その中でみんな腕を振ってがんばってくれた」と仲間をねぎらった。
捕手一本で挑む今シーズン。近年は一塁も三塁も守りながら試合に出てきた。ベンチではなく同じグラウンド上で味方捕手の姿を見ることで感じることもあった。「ベンチで見ているリード、感覚、打者の反応とフィールドで見る感覚、反応、投手の表情が全然違った」と新鮮に映る部分があった。客観的に試合を見ながら、間合いの取り方も学んできた若鯉。全ての経験を吸収し、大きな成長曲線を描いている。
そんな姿に新井監督も「サヨナラのピンチでも投手を引っ張ってくれた。ワンバウンドもしっかり体で止めてね。捕手に戻って、彼にとってすごく大変なシーズンになると思ったけど、こっちの想像をはるかに超えるペースで成長してくれている。二人三脚でやっている石原(バッテリー)コーチも、すごく喜んでいるんじゃないですか」と絶賛した。
チームは7月初の連勝で、巨人戦では4年ぶりとなる3カード連続の勝ち越し。「チーム全員で、投手も野手もこういう試合を勝てたことはこれから大きくなると思う。まだまだ、がんばります」と意気込む坂倉。成長著しい扇の要が新井カープの象徴になる。
◆巨人戦3カード連続勝ち越し 広島が5月12~14日(東京ド)、6月23~25日(マツダ)に続き3カード連続勝ち越し。巨人戦3カード連続勝ち越しは19年5~8月の4カード以来4年ぶり。





