カープ西川龍馬 4番弾で連敗止めた 涌井キラー今季3本目「最後はあそこ一本に絞っていた」
「中日2-3広島」(9日、バンテリンドーム)
広島が辛くも逃げ切った。三回に西川龍馬外野手(28)が決勝の8号3ランを放ち、同一カード3連敗を阻止。西川はこれで今季、相手先発・涌井から3本目の本塁打でキラーぶりを示した。今カードは初戦から悔しい打席が続いた中、自身のバットで連敗を止めた。再び勢いに乗って11日からの巨人3連戦に臨む。
西川は考えを巡らせていた。三回2死一、二塁。それまで左打者が内角を攻められていた傾向を踏まえ、狙いを定める。「内角真っすぐが(どこかで)来るやろうなと。最後はあそこ一本に、絞っていた」。その言葉通り、フルカウントからの6球目が初めて内角高めに来た。涌井の150キロをたたき、右翼スタンドへ。読み通りの一撃で決勝の8号3ランにつなげた。
涌井からは4月26日、5月24日に続いて今季3本目の本塁打。相手右腕が中日に移籍する前も通算8打数5安打1本塁打とよく打った。これで今季の対戦成績は10打数6安打3本塁打。無類の好相性が頼もしい。ただ本人は「嫌なイメージはないけど、試合前に『前に打ったからきょう打てる』とかは思わない。毎日リセットしている」と明かす。
特に今3連戦は7日の初戦に2併殺。8日も初回に内野安打で出塁するも以降は3打席で凡退した。それでも決して引きずらない。長丁場のペナントレース。日々の切り替えの肝要さを自覚する。
「(打者は)打って3割。毎回打てばアレだけど、そんなバッターはいない。そこを引きずっても仕方ない。『次、打てばいい』くらいで」。気持ちをリセットし、日々訪れる投手との真剣勝負に身を置くバットマン。「前日のことは引きずっていない。きょうはきょうで(試合に)入っていく。その辺は良かった」。“今”を何より大切にするスタンスで中軸に座っている。
殊勲の一発に新井監督も「連敗で来ていたので、あの3ランで先制できたのはすごく大きかった。技術的な部分にプラスして駆け引きや読み。そういう素晴らしい打席だった」と絶賛。西川とは2016年から3年間、選手として過ごし「(入団時は体が)本当に細かった。年々、体も大きくなってパワーも付いてきている。彼の努力のたまものでしょうね」と、ほほ笑んだ。
安打数99は、依然として両リーグトップ。11日は1・5ゲーム差の4位・巨人との3連戦が待つ。「勝ち越して差を広げられたら」と西川。火曜日からも新たな気持ちで、赤ヘルを引っ張っていく。