「広島９－１阪神」（４日、マツダスタジアム）

　新井監督とのグータッチを終えると、広島・床田寛樹投手（２８）はホッと胸をなで下ろした。本調子ではなかったものの、先発の役割を果たした。７回７安打７奪三振１失点で虎狩りに成功。７勝目を手にした。

　「三回までずっと指にかからないようなのがあった。助けてもらいながら投げました」

　制球に苦しんだ初回は、秋山の好守などもあり無失点発進。二回以降は左打者がツーシームを意識していると感じ取ると、内角へズバッと直球勝負した。尻上がりに調子を上げる。パームで緩急もつけながら的を絞らせない投球が光った。

　阪神との直接対決初戦。粘り強く投げ切った左腕に、新井監督は「さすがの投球ですね。きょうもナイスピッチング」とたたえた。

　栄養補給のためイニング間の「もぐもぐタイム」ではチョコをほおばる。最近のお気に入りはイチゴ味だ。六回を投げ終えると西川にプレゼント。直後に西川のダメ押しの３ランが飛び出した。

　「チョコのおかげじゃないですか。あんな飛ぶと思わなかったですけど」。その効果にニッコリだ。

　防御率１・７３はリーグ２位。昨年マークしたシーズン自己最多８勝にもあと１勝と迫った。「最後、しょうもないホームランを打たれた。ああいうところを本当になくさないと勝てない」。かぶとの緒を締める言葉に、さらなる向上心を感じさせた。