カープ九里 サヨナラ呼ぶ気迫の102球 7回2失点「チームが勝ったので、それで良い」
「広島4-3楽天」(14日、マツダスタジアム)
雄たけびを上げながら腕を振る場面もあった。気迫の102球で、広島・九里亜蓮投手(31)が勝利を呼び込んだ。「チームが勝ったので、それで良いです」。6勝目こそ逃したが、先発の役割を果たす7回3安打2失点(自責点1)だ。
要所を締めた。直球を軸に投げこみ、失点した回も最少失点で切り抜けた。四回、1点を失い、なおも2死一、三塁では山崎を中飛。「最少失点でいければ勝てるチャンスは絶対ある」。粘り続ける投球は攻撃陣に安心感を与えたはずだ。
五回以降は一人の走者も出さなかった。新井監督は「流れが行きかけた嫌な感じでしたけど、九里が断ち切ってくれた。粘り強く良い展開に持ち込めた」と最敬礼した。
この日、母校である亜大・生田監督の退任が発表された。大学4年間、指導を受けプロへ送り出してくれた恩師。右腕は「すごく気にかけて見ていただきました」と感謝した。思い出は「たくさん一緒にお風呂に入ったこと」。その時に聞いた経験談はプロの世界でも生きている。
大瀬良がこの日出場選手登録を抹消された。最短登録は24日のため、九里がリーグ戦再開初戦となる23日の巨人戦(マツダ)に先発する可能性が出てきた。
「変わらずチームが勝てるような投球をしていくことが一番」。短い言葉が頼もしかった。