広島・松山 執念の同点打“十八番”低めの変化球拾った 新井監督「さすが松山さん」
「オープン戦、広島5-5オリックス」(19日、マツダスタジアム)
体を投げ出すようにして懸命に拾った打球が、外野の芝生で弾む。スタンド全体の熱気は最高潮に達し、ベンチも大盛り上がり。土壇場の九回、途中出場の広島・松山竜平外野手が執念の同点適時打を放ち、勝負強さを見せつけた。
九回に逆転され、1点のビハインド。2死三塁の好機で打席が巡ってきた。1ボールから漆原のフォークにバットが空を切ったが「空振りが良かった。アレをしっかり振って行けた」と快音に至るまでの過程に納得顔。最後はカウント1-2から、2球目には空振りした低めフォークに、両手を目いっぱい伸ばして左前適時打とした。
低めの変化球への対応力は自身の“十八番”でもある。「ずっと練習していること。結果に出て良かった」とほほ笑む。代打で登場した七回は1死二、三塁から遊ゴロに凡退したが、三走を本塁へ迎え入れた。2打席で2打点をマークし、「打点にはこだわっている。きょうはすごく良かった」と、少しだけ胸を張った。
新井監督も九回の一打に「さすが松山さんですね」と満足げ。昨季、得点圏打率・302を誇った男は、本番さながらの対決を収穫と捉え「いい緊張感で打席に立てた。お客さんも盛り上がってくれるので、シーズンでもそういう部分を出していきたい」と気合十分。今年も勝負強いバットで、球場に熱気を呼ぶ。