カープ新井監督×安仁屋氏 新春対談【1】日本一のチームに 全員で戦って全員で優勝
今年から指揮を執る広島・新井貴浩監督(45)とカープOB会名誉会長でデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(78)が新春対談を行った。4年連続Bクラスからの再建を託された新指揮官は「日本一のチームになりたい」と力強く宣言。カープを愛する2人が熱く語り合った。
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安仁屋氏(以下、安仁屋)「あけましておめでとう。今年もよろしくお願いします」
新井監督(以下、新井)「よろしくお願いします」
-まずは安仁屋さんから今季への期待を。
安仁屋「僕が一番カープOB、ファンの中でも期待しているんじゃないかな。早速本題に入るけど、選手に嫌われるコーチの存在も必要なのかなと僕は思う。その辺りはどう考えているかな」
新井「まず、選手に一丸となってと言う前にコーチ陣、スタッフがスクラムを組まないといけません。自分の考えでは1軍のコーチ、2軍のコーチ、選手もですが、1軍が上で2軍が下という考えはなくて。全員の選手が戦力だと思っていますし、スタッフも一緒。コミュニケーションしっかり取って、チームをマネジメントしていかないといけないなとすごく思っています」
安仁屋「僕が2軍監督だった時代、1軍は三村監督だった。三村監督から『今、旬の選手いますか?』とよく電話がかかってきたよ。『この選手がいいですよ』と言って1軍に送り出す時『すぐ使ってくれ』とお願いしていた。三村監督も期待に応えてくれてすぐ使ってくれた。スタメンや代打、代走。試合に使ってくれる。試合で使って育てるというのも一つ(方法)じゃないかな」
新井「すごく大切だと思います。まず勝つことが一番の大前提。それプラス、カープがこれからどのようにやっていかないといけないのか。ある意味ファームの方が大切なことってあるんですよね。やっぱりカープはドラフトで選手を指名して、自前の選手を育てて強くなっていく土壌、チームカラーがある。そういう面でも1、2軍のスタッフがしっかり情報共有しないといけないし、自分も高さん(2軍監督)と連携を取りながら進めないといけません」
(続けて)
「優しくするだけではダメだし、叱らないといけない時も背中を押してあげないといけない場面もある。何がその時、選手にとってベストなのかを自分も見極めながら起用、采配していかないといけない。一番ダメなのは、選手がコーチの顔色をうかがうこと。余計なことに気を使わせたくない。1軍は勝つために、2軍は技術向上のためにどうしたらいいか。そういうことだけにフォーカスできる環境を整えないと」
-1軍と2軍に上下はない。
新井「どうしてもプロ野球って、2軍に行く時に『落ちる』、1軍に行く時に『上がる』と言う。これはしょうがないんだけど、若手が2軍に行く場合はさらに力を付けるために2軍に行く。中堅、ベテランという実績ある選手が2軍に行く時は、また1軍に上がるために調整していく、その場だと思っている。シーズンを通して中堅、ベテラン選手でも2軍に行くことはあると思う。ただ自分の中でネガティブな考えはない。今度また、いい状態で1軍に戻ってくるために2軍に行くという。全員で戦って全員で優勝して全員で日本一になると思っています」