〝動かない監督〟では勝利を引き寄せられず 4年連続カープBクラスの原因を検証

 4年連続Bクラスに終わったカープ。開幕ダッシュで期待感は高まったが、終わってみれば5位。就任3年目の佐々岡真司監督(55)は低迷の責任を取って辞任した。失速の原因は何だったのか?来季、浮上に必要なものは?デイリースポーツ取材班と評論家陣が全5回で検証する。今回は第1回。

  ◇  ◇

 佐々岡監督が動けば動くほど、流れがこちらに向いた。そんな試合だった。シーズンも残り10試合となった9月13日・阪神戦(甲子園)。指揮官は難敵・青柳攻略にタクトを振り続けた。不振の4番・マクブルームをスタメンから外し、左打者7人を並べた。チャンスとみれば、代走を送り、バントで相手の野選を誘う。リードが詰まれば、守護神・栗林を八回途中のピンチから投入。イニングまたぎをさせて勝利をもぎ取った。

 CS進出を目指す中、リミッターを解除したような采配にファンは沸いた。ツイッターなどデイリースポーツの公式アカウントには「こんな野球が見たかった!」「最高!面白かった!」「やればできる!」と興奮が伝わるメッセージが寄せられた。

 勝利のために采配を振る。当たり前のことだが、佐々岡監督のそれは、動きが少なかった。淡々と進む試合は見る側には物足りない。気がつけば“動かない監督”のレッテルを貼られていた。

 9月21日・阪神戦(甲子園)。先発の森下は初回、2死から3連続四球などで2点の先取を許すなど、見たことのない乱調だった。直後の攻撃で打順は9番まで回った。ウエーティングサークルにはレガースを付けた臨戦態勢の中村健がいた。CS進出に向けて一つも落とせない。コーチ陣から代打起用、ブルペン待機させていた遠藤の投入、さらに得点チャンスがあれば遠藤にも代打をとの進言があった。だが、打席に向かったのは森下だった。

 先発メンバーを送り出して悠然と見守る。レギュラーが固定し、戦力が充実していたならばそれでもいいだろう。だが、選手層は薄く、ベンチメンバー全員で戦わなければ勝てない状況。“動かない監督”では、勝利を自らの手で引き寄せることはできなかった。

 今季から延長12回制が3季ぶりに復活。十二回まで見据えて選手を起用した結果、温存したまま終わることもあった。実際に十二回まで戦ったのは6試合。1度も野手全員を使うことはなかった。ファンはどの試合も総力で勝ちにいく姿勢を望んでいた。(デイリースポーツ取材班)

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