広島・秋山 鉄人ボディー作り直す 西武時代5年連続フルイニング 「基礎をたっぷり」
広島・秋山翔吾外野手(34)が1日、来季のリベンジに向けて、今オフは体作りに専念する考えを明かした。その先にあるのはフルイニング出場。西武時代の2015年から5年連続、プロ野球歴代2位の739試合連続フルイニング出場の記録を持つ鉄人。“鉄人ボディー”の再生で低迷するチームを引き上げる。
4年連続Bクラス決定から一夜明け、誰もいないマツダスタジアムに秋山はいた。
この日は休日。2日に先発する森の調整も終わり、グラウンドは一人きり。ランニング、ダッシュで状態を確かめた。
9月9日に体調不良を訴え、10日には登録抹消。突貫工事で29日に1軍復帰したが2試合とも代打で三振に倒れた。表情を見ても状態が万全でないことは見て取れた。
「それは今言っても仕方ないところもある。明日(2日)終わってひと区切りした段階で来年を見据えて、戦い切れるように体調面、技術面、いろいろ整えてやっていきたい」
秋山にとって今季は激動のシーズンとなった。キャンプは同じ赤いユニホームでも大リーグ・レッズにいた。開幕直前の4月に戦力外、5月にパドレス傘下の3Aに移籍したが6月15日に自由契約。紆余(うよ)曲折の末、6月末に広島へ移籍した。43試合に出場し、打率・266、5本塁打、26打点。満足のいく数字を出すことはできなかった。
「確かに目まぐるしくはありましたけど、同情の目が入るのは嫌。大変だったねと言われ、甘えてはいけない。はね返せるような強さが欲しい」
どんな状況にあっても力を示せる。そうありたいと強く思う。そのために、オフをかけてじっくりと体を作り直す。目指すはフルイニング出場。15年からメジャー移籍する19年まで5年連続フルイニング出場を果たし、歴代2位の記録を持つ。その再現を見据える。
「(フルイニングは)首脳陣にとっても助かる。例えば(阪神の)近本君を“七回で代えなきゃ”とか考えない。出続けられるのであれば出続ければいい。できるだけ休まない方がキャリアも伸びる。代わるのは自分の選手生命を脅かしていく。なるべく長くやりたい。そのためにはまず見直して、もう1回、基礎作りをたっぷりやりたい」
悔しいシーズンを糧に鉄人ボディーを作り上げ、来季こそ“本物の”秋山翔吾を魅せるつもりだ。